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カンピオーネ!5人”の”神殺し
第一部
三月の戦闘 U
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り早く、強力な攻撃を。極論だが、それさえ出来れば勝てるのだ。

「う、ええええええ!?」

 そして、今それを発動したのはカンピオーネである長谷部翔希。人間の魔術師百人分でも届かない圧倒的な呪力を内包する存在である。

 本来、カンピオーネには呪術や魔術などは殆ど効果がないのだが・・・圧倒的な攻撃力があれば話は別だ。ライトニング・エクスプロージョンに自身の持つ呪力を惜しみなく注ぎ込む翔希。深夜の海岸は、まるで絨毯爆撃でも受けたかのような惨状へと変化した。

「・・・これでもダメなのか。」

 『未来視』で視たドニは、多少焼け焦げているものの、それ以外のダメージは殆ど存在しない。攻撃力的には十分だった。他のカンピオーネや神々にすら通用するだろう。やはり、【鋼の加護(マン・オブ・スチール)】という権能は厄介すぎた。

「・・・仕方がない。やりたくなかったけど・・・。」

 そう言いながら彼は、先程から使用していなかった深い蒼色になった左目の能力を発動する。

「え・・・っな、何だこれ!?」

 土煙の中から飛び出してきたドニは、四方八方に剣を振り回す。傍から見たら錯乱したのかと疑われる映像だが、そうではない。翔希の権能【至高の魔眼】の能力である。今彼は、突然現れた数十人の腕利きの剣士と戦闘を行っている・・・と、思い込んでいる。

「な、何をしたんだい!?」

「幻影だよ。この権能のもう一つの能力。『対象に強制的に幻影を見せる』能力。敵の網膜に直接映し出す能力だから、例え目を瞑っても防げないぞ。」

 翔希の言葉を聞いて、ドニは剣を振るのを止めた。

「何だ、ただの幻影か。なら別に・・・え!?」

 その瞬間、ドニの左脇腹がパックリと裂けた。そこから血が流れてくる。

「なん・・・で・・・!?」

 ”黒の剣”での攻撃すら、ホンの少しの傷しか与えられなかった【鋼の加護(マン・オブ・スチール)】が、何故こうも深く傷ついたのか?しかも、それをやったのは、翔希の言葉を信じるのなら、ただの幻影なのだ。ドニは信じられない目で翔希を見つめた。

「生物っていうのは、認識に引っ張られるものだ。特に人間はな。例えば、深い催眠状態にある人間に、『コレは真っ赤に焼けた火鉢だ』と言って鉛筆を押し付けると、そこに水膨れが出来る事がある。つまり、自分の脳が、『火傷をした』と認識したから、体がその通りの行動をしたってことさ。・・・長々と語ってしまったが、要は、その幻影に斬られれば、お前の体も『斬られた』と勘違いして勝手に裂けるってこと。」

「・・・つまり、防御不可能の攻撃ってことなのかな?」

「そういう事になる。」

 目を瞑っても防御不可。体が鋼鉄になろうが雷になろうが、『攻撃された』と認識した瞬間自分
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