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第四十四話 地絆その七

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「東京でピクニックするか」
「東京で、ですか」
「ああ、公園に行ってな」 
 都内のというのだ。
「そうしてな」
「そのうえで、ですね」
「ああ、皆で草の上にシーツ敷いて」
「お弁当を出して」
「食おうな」
「お握りとかいいですよね」
 遊人もにこりと笑って話に入った。
「その時は」
「ああ、お握りは外で食うとな」
「格別ですよね」
「普通に食っても美味いけれどな」
 草薙は??にも応えて話した。
「外で食うとな」
「尚更ですよね」
「いいな、じゃあお握り持って行くか」
「サンドイッチもいいかしら」 
 颯姫はこの食べものの話をした。
「そちらも」
「いいな、それも」
 草薙は颯姫の言葉にも頷いた、それも微笑んで。
「外で食うにはな」
「そうね」
「それなら皆で色々作ってな」
「お握りもサンドイッチも」
「他のものもな」
「皆で作って」
「持って行くか」 
 ピクニックの時はというのだ。
「そうするか」
「いいわね。ただ皆お料理出来るかしら」
 庚は草薙の提案に微笑んで頷きつつふと気になったこのことについて敢えて仲間達に尋ねたのだった。
「どうかしら」
「一応出来るわ」
 颯姫が答えた。
「私は」
「ええ、食材や調味料を計算して」
 そしてというのだ。
「火加減もね」
「全て計算してなのね」
「作れるわ」
「それなら美味しいけれど」
 庚は颯姫のその話を聞いて言った。
「それだけね」
「美味しいだけなの」
「人間味が欲しいわね」
「人間味が」
「颯姫はそれを備えてきてるから」
 だからだというのだ。
「このままね」
「備えていくことね」
「そうすればよ」
 庚は颯姫にも微笑んで話した。
「お料理にも人間味が備わって」
「その分美味しくなるのね」
「きっとね」
「それならだ」
 封真は庚の話を聞いて颯姫に話した。
「妹から聞いたらどうだ」
「貴方の妹さんね」
「ああ、小鳥にな」
 暖かい笑顔で話した。
「そうしたらどうだ」
「妹さんは今は」
「天の龍の方にいるけれどな」
「その時にはなのね」
「きっとまた三人で暮らせる様になっているからな」
 だからだというのだ。
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