暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第3節】ジュエルシード事件にまつわる裏話。
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 さて、話は少し(さかのぼ)って、同年(新暦65年)の1月のことです。
 年が明けると、プレシア・テスタロッサ(59歳)は、ふと『間もなく、自分の両親が車の事故で死んでから満30年になる』ということを思い出しました。
 その2年後には、「形式的に」離婚していた夫も28歳の若さで自殺し、そのさらに2年後には、最愛のアリシアまでもが「あの事故」に()ってしまったため、すっかり忘れていたのですが……今にして思えば、彼女の父母はとても良い両親でした。
 もちろん、夫のナザーリオもとても良い夫でした。三歳(みっつ)も年下の入り婿でしたが、プレシアの両親に対しても、まるで実の息子のように親孝行をしてくれました。
『だからこそ、あんな事故が起きてしまった』とも言えるのですが……。
【この作品では、『アリシアが「愛する夫が遺した、ただ一人の子供」だったからこそ、プレシアもあそこまで深くアリシアを愛してしまったのだ』という設定で行きます。】

 プレシアは、ほんの形だけではありましたが、両親と夫の「祀り上げ」をその月のうちに済ませました。
 しかし、それによって、プレシアの心をミッドチルダに押し(とど)めておくものは、もう本当に何ひとつとして無くなってしまったのです。

 そして、3月になると、プレシアはわずかな手がかりを見つけて(あるいは、『見つけた』と思い込んで)ついに〈時の庭園〉を発進させました。
 ミッドチルダを遠く離れ、「あの人」の足跡(そくせき)辿(たど)るようにして、〈辺境領域〉の北東部へと向かいます。
 しかし、その駆動炉は高出力ながら、まだまだ不完全な代物で、一度(ひとたび)発進させてしまったら、もう半年とは()たないような代物でした。
 しかも、実際には何の確証も無い「見切り発車」なのですから、冷静に考えると、これはもう「自殺行為」にも等しいほどの暴挙だったのですが……結果としては(あくまでも結果論ですが)これが功を奏し、翌4月には「ジュエルシードの早期発見」につながることになったのでした。


 そして、4月中旬。ユーノが人知れず海鳴市に到着した、その翌々日。まだ少し肌寒い日のことです。
 夕刻、はやて(9歳)が車椅子で帰宅すると、いつものように「本」が玄関まですっ飛んで来ました。物心ついた時には、すでに家の本棚にあった大きな本です。
 昔から妙な存在感があり、『(のり)付けされているようにも見えないのに、なぜか開かない』という不思議な本でしたが、その上さらに、いつの頃からか、家の中を勝手に飛び回るようになりました。
 思えば、一昨年の5月に両親が事故で死んだ頃からでしょうか。
 とても他人(ひと)には言えない状況でしたが、幸いにも(?)学校を休学して以来、彼女にはもう日常的には話をする相手など一人
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