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札幌の廃墟
第四章

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「これからもね」
「札幌で暮らすのね」
「そうするわ、見ていたらね」
 そうすればというのだ。
「わかるわ」
「そうなのね」
「これからね」
 笑って言うのだった、そしてだった。
 澄香は札幌で暮らしていった、日本ハムは東広島で野球をしていった、そして誰もがそちらに注目したが。
「札幌ドームは」
「誰も来ないわね」
「見事な位ね」 
 友人は澄香に昼食でラーメンを食べつつ話した、勿論澄香もラーメンを食べている。
「使われてないわね」
「そうでしょ」
「何でも大赤字らしいわね」
「維持費だけでも大変だから」
「日本ハムが移転して」
 その東広島にだ。
「そしてね」
「メインで使うチームがなくなって」
「お客さんも来なくなって」
「皆東広島に行ったでしょ」
「あんたも含めてね」
「そうよね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「他の人達もで」
「しかも評判がね」
「最悪だしね」
「日本ハムがどうして移転したか」
「その理由とか事情はね」
「皆見て知ってるし」
「どんな経営かね、しかもね」
 澄香はさらに言った。
「日本ハムが移転しても強気だったでしょ」
「やっていけるってね」
「それも多分本気でね」
「負け惜しみでなくてね」
「皆日本ハムへの態度見ていて」
 それでというのだ。
「出て行かれてね」
「まだ強気で」
「それでね」 
 そのうえでというのだ、
「平気な態度見てね」
「皆これは駄目だって思って」
「嫌悪感さえよ」 
 この感情すらというのだ。
「持ってよ」
「使わないのね」
「設備も問題で経営も酷くて」
「態度も悪い」
「見通しもふざけてるなら」
「どうしようもないわね」
「そんなところ誰もよ」
 それこそというのだ。
「使わないわよ」
「日本ハム色々要望出したのにガン無視だったしね」
「皆見てるのよ、だからね」
「札幌ドーム誰も使わないのね」
「もう閑古鳥どころか」 
 それが鳴くどころかというのだ。
「廃墟にすらね」
「誰も行かないからね」
「なってるでしょ」
「そんな風ね、私達の間でも言われてるし」
 札幌市民の間でもというのだ。
「何かとね」
「駄目過ぎるってね」
「オブラートに包んで表現してね」
「もっと言えるでしょ」
 澄香はラーメンを食べつつ友人に言った。
「オブラートに包まないと」
「それはね」 
 友人も否定しなかった。
「それこそね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「今のあそこはね」
「廃墟ね」
「今更何言っても何してもね」
「皆見て知ってるから」
「それこそよ」 
 笑って言った、言い切った。
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