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おぢばにおかえり
第七十七話 おみちの本その十九

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「本当にです」
「福岡も好きで」
「長崎もなのね」
「九州ならどっちかですね」
「新一君のお祖母さんが九州生まれなんてね」
「意外ですか」
「根っからの関西人って感じがするからね」
 お話をしているとです。
「大阪生まれで奈良育ちだし」
「方言も出てますよね」
「かなりね」
 これは私もです、やっぱり関西人だけはあります。
「出てるわ」
「ですが母は佐賀生まれで」
「お祖母さんが長崎ね」
「お祖父ちゃんは熊本です」
「完全に九州ね」
「それが母が中学三年の時に関西に出てきて」
 そうなってというのです。
「八尾の団地に住んでたんですよ」
「奥華の大教会がある場所じゃない」
「それも縁ですよね」
「物凄くね」
 それを感じずにはいられません。
「本当にね」
「そうですね、僕もそれを感じています」
「お母さんが八尾におられたことが」
「奥華が八尾市にあるって聞いて確信しました」
「それで八尾の何処なの?」
 私はそのことを尋ねました。
「あの街も広いけれど」
「近鉄の駅で言うと山本です」
 新一君はすぐに答えてくれました。
「商店街の方を歩いた先の団地です」
「山本なの」
「はい、あちらなんです」
 私に微笑んでお話してくれました。
「大きな本屋さんがある方ですね、駅から見て」
「また詳しいわね」
「何度も行ってるんで」
「詳しいのね」
「はい、それで奥華の大教会は恩智ですね」
「近鉄の駅で言うとね」
 まさにその通りです。
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