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駐車場で見たもの
第一章

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               駐車場で見たもの
 柏木菫、前田百合、大島桜の三人はいつも一緒にいる。中学校で同じクラスで部活のバレー部も一緒に活動している。
 それは学校の外でも同じだ、それで今は休日のコンビニの駐車場でたむろしている。
「お店の人も言うし」
「あまり長居はしたら駄目よね」
「アイス食べたら帰ろう」 
 夕方そろそろ暗くなる頃に話していた。菫は小柄で黒髪を左右で編んでいて楚々とした細面である。百合は太い眉ときりっとした顔立ちで胸があり黒髪をおかっぱにした中背で桜は長い茶色がかった髪の毛で二重の大きな目で赤い大きな唇ですらりとしている。三人共私服である。それぞれ手にはアイスがある。
「暗くなってきたしね」
「暗くなると物騒だしね」
「何が出るかわからないしね」
 三人でこう話していた、そう話しているとだ。
 コンビニのアルバイトの店員、近所に住む大学生の山元吉延長身で穏やかな顔立ちで黒髪を短くしている彼が店から出て三人に言って来た。
「君達早く帰った方がいいよ」
「はい、アイス食べたら帰ります」
「そろそろ暗くなってきますし」
「そうします」 
 三人もすぐに答えた。
「変な人も出ますしね」
「お家に帰ります」
「すっかり暗くなる前に」
「うん、知ってると思うけれどそろそろ危なくなる時間だよ」
 山元は三人に真面目な顔で話した。
「逢魔ヶ時っていってね」
「妖怪とか出るんですよね」
「その時に」
「暗くなる時に」
「妖怪が出なくても」 
 それでもというのだ。
「暗くなるとそれまで明るかったのに目が慣れてるから」
「危ないですね」
「目が慣れてないから」
「その分ですね」
「だからね」
 このこともあるからだというのだ。
「アイス食べたら」
「お家に帰ります」
「三人共お家近くですし」
「絶対に」 
 三人もこう言って頷いた、実際にそうするつもりでアイスを急いで食べた。そのうえでアイスをっ包んでいたビニールやケースを店のゴミ箱に捨ててだ。
 帰ろうとしたがそこでだった。
 菫がだ、駐車場の端をふと見て眉を顰めさせた。
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