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おぢばにおかえり
第七十七話 おみちの本その十五

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 事務所の人達が笑いました、それがわからないので私は首を傾げさせました。
「何かあります?」
「いや、あるけれどね」
「千里ちゃんがわかってないだけだよ」
「阿波野君はっきり言ったね」
「はっきりですか?何か」
 新一君を見てまた首を傾げさせました。
「新一君が何を言ったのか」
「わからないですか」
「ええ、どういうことなの?」
「どういうことってそのままですよ」
「私がおぢばにいるからなの」
「はい、こうしてです」
 私に対して言うのでした。
「毎日帰ってきて」
「学校がなくても?」
「もう先輩にお会いしたくて」
「私に会っても何もないのに」
 心から思いました。
「それでもなのね」
「僕としてはあるんです」
「それで日曜でも祝日でも」
「来させてもらってます」
「夏休みもよね」
「部活入ってないんで」
 新一君は部活嫌いです、中学校で部活でやりたい放題に暴力を振るう先生を見てのこととのことですがそんな先生そうそういないのにと思っています。
「それで塾に行くよりも」
「図書館で勉強してるのね」
「自分で。自分で勉強したら」
 それならというのです。
「それでいい成績出したら塾行かなくてもいいですね」
「それはそうね」
「だからです」
「おぢばに帰ってきてなのね」
 夏休みもです。
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