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犬とアシカ
第一章

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                犬とアシカ
 カルフォルニア州のオーシャンビュー近くに家を持つ車のディーラーリンジー=グリンバー長身のアフリカ系の彼は家族と暮らしている。
 そして犬もいるが。
「チョコレートラブドールレッドリバーの雄の」
「そう、スリムっていうんだ」
 彼は家に来た友人に笑顔で話した。
「とても剽軽で人懐っこい」
「いい子だね」
「そうなんだ」
「ワン」 
 そのスリムを愛しげに見ながら話した。
「妻も娘達もだよ」
「その子が好きなんだね」
「うん、それにね」
「それに?」
「家族だけじゃなくて」 
 こう友人に話すのだった。
「友達もいてね」
「その友達からもかい」
「好かれているよ」
「そうした子なんだね」
「そうなんだ」
「それでそのお友達はどんな子かな」
 友人はふと思ってグリーンバーに尋ねた。
「一体」
「ああ、それはね」
 笑顔でだ、彼は答えた。
「これから散歩に行くから」
「会えるんだね」
「そうだよ、それでね」
「これからだね」
「一緒にどうかな」
 友人に笑顔のまま誘いをかけた。
「これから」
「それじゃあ」
 友人も笑顔で応えた。
「これからね」
「うん、行こう」
「それじゃあね」
 こう話してだった。
 グリーンバーはスリムの散歩に出て友人も同行した、一行は海辺に出たが友人はここである生きものを見た。
「ああ、ここは」
「アシカもいるんだ」
「そうだったな」
「アシカもいいね」
「海の犬とも言われてるね」
 友人はこう返した。
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