第三章
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「本当にな」
「奇麗になれるんですね」
「そうだよ、後はファッションでな」
「髪型とメイクの次は」
「それでだよ、俺達は理髪師でな」
この仕事でというのだ。
「髪型だけだけれどな」
「この仕事してるとですね」
「わかるんだよ、お客さん見てるとな」
「それで、ですね」
「働いているとそれぞれの仕事でな」
「わかるんですね」
「そうさ」
こう言うのだった。
「次第にな」
「経験で、ですね」
「わかるよ、まあ俺は言ったけれどな」
それでもというのだ。
「実際にその目でな」
「わかってきますか」
「これからな、そうしたことがわかれば」
そうなると、というのだ。
「仕事は尚更な」
「出来る様になりますか」
「そうだよ」
笑顔での言葉だった。
「そうしたところはな」
「仕事で経験を積んだらですね」
「わかるからな」
だからだというのだ。
「これからもな」
「働いていくことですね」
「そうしたら他にもな」
栗原はさらに話した。
「わかるからな」
「だからですね」
「仕事頑張れよ、あとプライベートもな」
「頑張ることですね」
「仕事ばかりじゃ駄目だろ」
加藤に笑顔で話した。
「仕事をやってな」
「しっかりと」
「それでプライベートもな」
そうもしてというのだ。
「頑張ると余計にな」
「色々わかってきますか」
「そうさ、人間とか世の中とかな」
「だからですね」
「頑張れよ」
「そうします」
加藤も是非にと答えた、そうしてだった。
彼は仕事もプライベートも頑張っていった、すると若手から店の主力そしてやがては支店長になった。そして支店長としても評価を得てだった。
同じく支店長になっていた栗原と共に何かと知っていてわかっていると言われる様になった、どうしてそうなったかと聞かれるといつも経験だと笑顔で言った。
輪郭を見て 完
２０２３・１０・１７
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