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おぢばにおかえり
第七十七話 おみちの本その九

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「どんなこと、どんな状況でも堪能してね」
「満足出来ればいいですよね」
「世の中枕元に沢山食べものがあっても食べられない人がいるのよ」
 このことは実際におみちで言われていることです。
「それを考えたら食べられるとね」
「それだけで結構なことですね」
「そう、それでね」
 私は新一君にさらにお話しました。
「お水を飲むことが出来たら」
「それだけで結構なことですね」
「お水にはお水の味がするでしょ」
 このこともおみちで言われていることです。
「そうでしょ」
「それは確かにそうですね」
「しかも水分補給になるしね」
 このこともあります。
「だからね」
「そうしたこと、些細なことでよかったと思えて」
「満足出来たら幸せだし」
 もうそれだけで、です。
「見ていてもね」
「すぐに笑顔になるからですね」
「そう、幸せを感じてね」
 結構と思ってです。
「いいからね」
「そうした人を見て」
「ひながたにすることよ」
「僕から見ると大叔母さん達ですね」
「いるじゃない、ちゃんと」
 私は親日君に思わず笑って言ってしまいました。
「そんな人が。それもお二人も」
「二人共苦労してきまして」
「些細なことでもなのね」
「本当にお水はお水の味がするって感じで」
 おみちのお話の通りにというのです。
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