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オズのカリフ王
第八幕その五

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 皆で一行をお迎えします、そして玉座の男の人が言ってきました。
「ようこそ、精霊の国へ」
「貴殿が夜の精霊の王様ですな」
「今現在のこの国の国家元首を務めています」
 ノーム王に笑顔で答えました。
「それで玉座に座っています」
「そうでありますな」
「はい、ではこの度はです」
「この国で、ですな」
「心ゆくまでお楽しみ下さい」
「我が国のことはもうお聞きですね」 
 夜の精霊のお隣にいる女の人も言ってきました。
「左様ですね」
「はい、それで貴女が夜の女王ですな」
「はい」
 笑顔での返事でした。
「その通りです」
「やはりそうでしたか」
「それで我が国のことは」
「ポリクローム嬢からお話してもらいました」
「そうですね、ではです」
「これよりですな」
「歓待させて頂きます」
 こう言ってでした。
 精霊の人達も一行を歓待してくれました、宮殿の中を隅から隅まで案内してくれてそのうえでなのでした。
 歌にダンスに舞台も披露してくれてそしてです。
 夜の女王も歌いますがその歌は。
「おお、これは」
「確かにな」
 ノーム王もドワーフ王も唸りました。
「見事な」
「素晴らしい歌じゃ」
「これ程までとは
「思いも寄らなかったわ」
「夜の女王様は精霊の国一の歌い手なの」
 ポリクロームはお二人に笑顔で言いました。
「もう誰よりもね」
「この国ではか」
「歌が上手なのか」
「そうなの」
 まさにというのです。
「この通りね」
「物凄く高い声で音程を完全にコントロールしてるわね」 
 トロットは夜の女王の歌を聴いて言いました。
「物凄く難しい歌なのに」
「ええ、こんな難しい歌あたしでも完璧に歌えないわ」
 つぎはぎ娘も言います。
「あたしダンスにね」
「歌もよね」
「大好きでよく歌って」
「それでかなり自信があるけれど」
「実際に貴女も歌上手よ」
「そうでしょ、けれどね」 
 そのつぎはぎ娘でもというのです。
「ちょっと以上にね」
「この歌はなのね」
「完全には歌えないわ」
「そこまで難しいのね」
「ええ、こんな歌があるなんて」
 つぎはぎ娘はまた言いました。
「あたしもびっくりよ」
「そうなのね」
「けれど完全に歌えなくても」
 それでもと言うつぎはぎ娘でした。
「歌いたいわ」
「完全にでなくてもなのね」
「歌いたいならね」
 それならというのです。
「もうね」
「それでよね」
「歌いたいわ」
 そうだというのです。
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