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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第四章 いつだって、道はある。
ガイとリー
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「肋骨を損傷……それに手首の骨も折られてる。口の中も、ちっと切ってるみたいだね。……だが安心しな、命に別状はないよ。……カカシと同じく、幻術による精神攻撃を受けてるみたいだけど、呼吸も大体安定してきてる。多分大丈夫だ」
「あ、ありがとうございます!!」

 サスケを見終わった綱手は、弟子二人プラス弟そっくりな少年を振り返った。ほっと息を付き合って笑いあうサクラといのの傍で、ナルトもほっと一息をつく。

「まあ、暫く寝かせておいた方がいい。サクラ、いの、お前達二人は先にシズネに修行を見てもらえ。ナルトも、自来也と修行の予定があるんじゃないのか?」

 はーい、とサクラといのが声を揃え、俺ってば螺旋丸の精度をあげるんだ! とナルトが嬉しそうに走りでていく。
 それを見ながら目を細めた綱手が不意に思い当たったのは先日自分が忍びを辞めろと忠告した少年だ。奴らの襲撃は忠告後、大体二十分ほどの頃に起こった。テンテンとネジが必死で彼を守ったかいあってリーの体は無事ではあったが、心の方のショックは、きっとこれぐらいでは済まされないはずだった。

 +

 ――青春の勲章は、さりげない熱血だ。これからもっともっと頑張れば、君はきっと強い忍びになれるぞ!!――

 変化も分身も上手く出来ずに落胆していたリーの前に現れた黒いおかっぱの男は、そう言って白い歯を煌かせながら笑った。――これがガイとリーの、最初の出会いだ。

――僕は、例え忍術や幻術が使えなくても、立派な忍者になれることを、証明したいですッ!!――

 フォーマンセルを結成した当時に言った自分の夢だ。すぐ右隣に座っていたネジに、忍術も幻術も使えない時点で忍者じゃないだろうと馬鹿にされ、そして彼の言葉に返す言葉も見当たらずに落ち込んでいると、ガイは言った。

――熱血さえあれば、そうとも限らないぞ? よきライバルと青春し、競い合い、高めあえば、きっと立派な忍者になれるはずだ!――

 彼はまた、白い歯をきらきらと輝かせながら笑った。努力も必要だけどな、付け足して豪快に笑うガイに、リーはいっそうと惹かれていった。
 ネジと一緒にガイとカカシの勝負を見に行ったことがある。カカシが提示したのはじゃんけん勝負で、その時ネジは傍で零した。めんどくさいからいいようにあしらわれているだけじゃないかと。ガイがまけたら里を逆立ち五百周と言った時には、ネジのあり得ないという言葉に、思わず同意してしまったことも覚えている。
 リーの回想の中で、二人が拳を振り上げる。
 ――じゃんッ、けんッ、――

 ぽん、と。
 リーの肩に、手が置かれた。

「やはり、ここか」
「が……ガイ先生……どうしてここへ?」
「お前のことなら何でもお見通しだ!」

 記憶と全く変わらない、真っ白な歯
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