第一章
[2]次話
死んでも愛情を向ける猫達
豊かな教養を活かしてリオデジャネイロでジャーナリストをしていた父が亡くなってだった。
アラゴラス州マセイオで夫のトニオと共に飲食店を経営しているイザドラ=モンテイロは彼の家に行って家財道具を全て処理してから家に戻って夫に言った。
「これで終わったわ」
「それは何よりだね」
やや褐色の肌に大柄で縮れた黒髪で二重の丸い目に割れた顎を持つ逞しい身体の夫はそれならと応えた。
「本当に」
「それでね、連絡したけれど」
長い波がかった黒髪ではっきりとした睫毛の長い黒い目に細く奇麗な眉を持つ一六〇位の背で見事なスタイルの彼女は言った。
「お父さんの家族だった」
「二匹の犬と一匹の猫をだね」
「家族に迎えるから」
「いいよ」
夫は妻に笑顔で答えた。
「僕もね」
「生きもの好きだし」
「それにホセのお友達にもなるし」
二人の息子で小学校に入ったばかりの彼のというのだ。
「それじゃあね」
「ええ、これからはね」
「彼等も一緒だね」
「そうよ」
こう言って中型の雄の白犬とやはり中型で雄のグレーの犬ペドロとハッシャの二匹の犬達とだった。
雌のシャム猫のティナを家族に迎えた、三匹はいつも家族と仲良しで家で楽しく暮らしていけていた。
「ワン」
「ワンッ」
「ニャ〜〜」
特にホセと仲がよく夫婦はこのことに喜んだが。
その中でだ、妻は夫にあることを提案した。
「今度の八月の第二日曜日だけれど」
「ああ、父の日だね」
「そう、ブラジルのね」
「その日にだね」
「あなたにもプレゼントするけれど」
一家の父である彼にもというのだ。
「実はティナ達にもね」
「あげるんだ」
「ええ、実はいいこと思いついたの」
「いいこと?」
「そう、それをね」
笑顔で言ってだった。
イザドラはその日になるとだった、パソコンに生前の父の動画を出した。部屋にペドロとハッシャそれにティナを集めてのことだ。
するとだ、彼等はだった。
犬達は動画を座って目を輝かせて見た、そして猫は。
父が出ている画面に顔を摺り寄せた、夫婦の息子はそんな彼女を観て言った。その顔は父親そっくりでもう顎が割れている。
「ティナが一番喜んでるよ」
「そうだな」
「観たらね」
両親も確かにと答えた。
「ペドロとハッシャも目を輝かせてるけれど」
「ティナはな」
「凄いわね」
「ここまでとはな」
「ティナはお父さんの最初のペットで」
ここで母はこのことを話した。
「その分一緒にいた時間も長いし」
「それでなんだ」
「模っている愛情もね」
これもというのだ。
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