暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十三話 執事からは逃げられない
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だけどなのはがそう言うんだったら可能性はあるかもしれない)
(そうかな? でも士郎君からは魔力は感じないんだよね?)
(いや、それは関係ないと思う。あのアーチャーも魔力を感じなかった。
 恐らく何らかの魔力を隠蔽する道具を持ってる可能性が高い)

 そっか。
 初めて会った時もレイジングハートで追いかけられなかったし、魔力を感じなくても不思議じゃないよね。

(魔力を隠蔽する道具ってどんなのかな?)
(う〜ん。たぶん常に身に付けられて、付けててもそこまで派手じゃないモノかな)
(アクセサリーみたいなってこと?)
(うん、そう)
(わかった。ありがとう)

 うん。
 やっぱり話してみて大正解。
 それにしてもアクセサリーか。
 ペンダントとか指輪とかかな?
 よし。士郎君が来たらこそっと見てみよう。




side 士郎

 さすがに疲れた。
 しかも疲れた原因が走ったことではなくて、死徒の肉体能力を隠すことに疲れたのだから笑い話にもならない。

「今日はどうしたの? やけにギリギリだったけど」

 珍しそうにアリサが尋ねてきた。
 後ろにすずかもいる。
 今まで常に余裕を持って登校してたから疑問に思ってもおかしくはない。
 だが

「まあ、ちょっとな」

 絶対に言うわけにはいかない。
 言えば、昨日の再来。
 いや、あれすらも凌駕するだろう。
 というか絶対する。
 だが俺のそんな願いも虚しく散ることとなる。

「士郎君。お母さんが朝ごはんにって」

 なのはがおにぎりを三つほど差し出してくれた。

「ありがとう。助かるよ」

 わざわざ用意してくれた桃子さんに感謝しつつ食べる。
 うむ、うまい。
 お菓子作りといい、料理といい本当に素晴らしい腕前だ。

「なのはちゃん、士郎君が遅れるの知ってたの?」
「うん。士郎君、私の家から一回帰ってから来たから」
「「……」」

 アリサとすずかも固まり、クラスメイトも固まった。
 静かだ。
 とっても静かだ。
 もっとも嵐の前の静けさだが。

「……それって士郎がなのはの家から朝帰りしたってこと?」
「え? 朝帰り……」

 なのはの顔が一気に赤くなった。
 アリサの奴め、余計な言い回しを。
 また無駄に話が歪んで伝わっていく。
 アリサとすずかがこちらを向く。

「……悪いが完全に誤解しているぞ」
「ふうん、どう誤解してるっていうのよ?」
「うん。詳しく教えてほしいな」

 そんなふうに威圧されても困る。
 それとアリサにすずか、お願いだからその笑顔で威圧するのはやめてくれ。
 アリサは遠坂やルヴィアの悪魔の笑みにそっくりだし、すずかは桜の冷たい笑みにそっくり
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