第二章
[8]前話
白地に黒い模様のある雌猫が来てだった。
タムの身体を丁寧にマッサージしだした、スキートはその猫を見てまた話した。
「あの娘はエロディといいますが」
「あの娘がですか」
「特にです」
「タムに寄り添ってですか」
「助けてくれています」
「そうですか」
「タムは確かに皮膚病を持っていて」
そしてというのだ。
「目も見えません、ですが」
「妹犬がいてですね」
「私達もいまして」
「猫達もいるので」
「幸せです」
「それは何よりですね、ではです」
ミッテランはあらためて言った。
「私はこちらでの務めを果たさせて頂きます」
「ボランティアのですね」
「そうさせて頂きます、そして」
そのうえでというのだった。
「タムのことをです」
「どうされますか」
「インターネットを通じて」
そしてというのだ。
「人々に知ってもらいます」
「そうしてくれますか」
「素晴らしいお話は知られるべきですね」
こうスキートに言うのだった。
「ですから」
「それで、ですね」
「そうさせて頂きます」
「ではお願いします」
これがスキートの返事だった。
「私も同じ考えなので」
「素晴らしいお話はですね」
「世界の人達が出来るだけ多く知って」
「心を洗われ」
「素晴らしい行いに続けて欲しいので」
そう思うからこそというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「お願いします」
「それでは」
ミッテランは笑顔で応えた、そうしてだった。
彼は保護区での活動を終えてフランスに戻った後でタムのことを伝えた、すると多くの人が笑顔になり行いをよくしたのだった。
盲目の犬の友人達 完
２０２３・８・１７
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