暁 〜小説投稿サイト〜
我が剣は愛する者の為に
愛に飢えた少女
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「これはこれで面白いけど、叔母さまの所に案内できないんだけど。」

この後、俺は一時間くらいリアル鬼ごっこをして、最終的に黎に説得してもらった。



「ここが、叔母さまの自室だよ。
 でも、叔母さまは体調が悪いからさっきみたいに騒がないでね。」

「俺じゃなくて、二人に言ってくれると非常に助かる。」

黎の説得で?徳は何とか剣を収めてくれたけど、それでも棘のような視線は依然と続いている。
部屋に入ると、一人の女性が寝台に上半身を起き上がらせて、窓の外の景色を見ていた。
一目見た瞬間、何て儚げな女性なのだろうと思った。
触れれば壊れてしまいそうな、そんな印象を受けた。
俺達が入ってくるを見ると、笑みを浮かべて出迎えてくれた。

「いらっしゃい、蒲公英。」

「叔母さま、身体は大丈夫?」

「ええ、今日は調子いいみたいよ。
 優華も黎も元気そうね。」

『私は元気。』

「私も黎と同じです。」

「そして。」

馬騰の視線が俺に向けられる。

「初めまして、私は馬騰と言います。
 寝台の上からで申し訳ないわね。」

「気にしないでください、体調が優れないのでしょう。
 私は関忠、どうぞお見知りおきを。」

「ふふふ、そんなにかしこまらなくてもいいわよ。
 ここに尋ねた理由は何かしら?」

馬騰がそう聞くと、黎が一歩前に出て竹簡に文字を書いて行く。

『この人と結婚する許可を欲しい。』

「あらあら。
 ついに婿を見つけたのね、おめでたいわ。」

この言葉を聞いた限り、馬騰は結婚にあまり否定的ではないようだ。
このまま話を進められたら本気で結婚させられるな。

「でも、?徳は納得しているの?」

視線を黎から?徳に移す。
不満バリバリの表情をしている?徳だが。

「私の試験には全部合格しました。
 納得していませんが、納得しました。」

矛盾した発言だが、?徳も結婚には反対ではないらしい。
まずい。
これは非常にまずい。
俺がここに居る時点で、結婚には同意しているように捉えられてもおかしくはない。
本当は別に目的があるのだが、何としてもこの話を止めないといけない。
口を開こうとした時。

「でも、関忠さんは納得してないみたいよ。」

俺の思っている事を見透かされたような発言を、馬騰の口から聞こえた。
黎と?徳と馬岱は驚いた顔をしながら、こちらを見てきた。

『縁様、納得してないの?』

「まさか、私の黎と結婚できない訳?」

さっきと言っている事と行動が全く逆なのだが。
それをツッコむと話を進まないので、無視して自分の意見を言う。

「確かに初対面に等しい俺に、これだけ好意を向けられるのは嬉しい。
 で
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ