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ドリトル先生と桜島
第十一幕その六
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「それは言ったね」
「そうそう、直接新陰流」
「この流派も薩摩藩のお家芸だったね」
「示現流と並んで」
「そうだったね」
「その流派も見ようね」
 こうお話してです。
 先生は皆を連れて今度は直新陰流の道場に行きました、するとこの道場では皆物凄い大きくて重そうな木刀を持っています。
 そしてその木刀をです、延々と振っていますが。
「あの木刀何?」
「どう見ても普通の木刀じゃないよ」
「普通の木刀より十倍は重そうだけれど」
「その木刀を皆延々と振ってるけれど」
「これが直新陰流の稽古なのかな」
「あの木刀は十一キロあるんだ」
 先生はまずは木刀からお話しました。
「実はね」
「えっ、十一キロって」
「そんな重い木刀あるんだ」
「それでその木刀を延々と振る」
「それが直新陰流の鍛錬なのね」
「その木刀を一日千回も二千回も振るんだ」
 直新陰流の稽古ではとです、先生はお話しました。
「毎日ね」
「こっちも凄いね」
「十一キロの木刀を一日千回も二千回もって」
「桁外れだね」
「無茶苦茶な稽古じゃない」
「示現流に負けていないよ」
「そうして毎日鍛錬をしているとね」 
 どうなるかといいますと。
「握力や肩の力、腹筋や背筋だけでなくね」
「足腰も凄くなるね」
「とんでもないレベルで」
「そうなるね」
「絶対にね、身体全体の筋肉が極めて発達しないとね」
 それこそと言う先生でした。
「出来ない修行で続けていたらね」
「自然とそうなっていくね」
「全身の筋肉が鍛え上げられて」
「物凄いことになるね」
「絶対にね、それで前にもお話したけれど」
 先生はこの人のお名前をここで出しました。
「勝海舟さんがね」
「ああ、この流派の免許皆伝だったね」
「先生そうお話していたね」
「あの人実はそうだったって」
「頭の回転の速さと度胸で有名だけれど」
 勝海舟という人はというのです。
「実は剣術はね」
「物凄く強かったんだね」
「こんな流派の免許皆伝だから」
「物凄かったんだ」
「もう全身の筋肉が凄かったことは間違いないよ」
 そうだったというのです。
「おそらくヘラクレス、日本で言うと金剛力士だね」
「ああ、奈良のね」
「東大寺のだよね」
「あの仏像だね」
「怖いお顔をした」
「あの仏像達には実はモデルがいたんだ」
 そうだったというのです。
「鎌倉時代だから鎌倉武士の人がだよ」
「モデルになってなんだ」
「それで造られたんだ」
「あの二つの仏像は」
「そうだよ、だから鎌倉武士の人達はね」
 この人達はといいますと。
「ああしたね」
「物凄い身体してたんだ」
「全身筋骨隆々の」
「とんでもなく逞しい身体をしていたんだ」
「質実剛健なお食事に」
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