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黄金の葉
第二章

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「何があってもお仕事を忘れない」
「それが終わってから遊ぶ」
「遊びたかったでしょうに」
「けれどそこを敢えてお仕事を優先させるなんてね」
「踊りもよかったけれどまずこのことに感心したわ」
「それで貴女に贈りものをしたいけれど」
「贈りもの?何かしら」 
 フレデリカはそう言われて首を傾げさせた。
「それは」
「これよ」
「さあ受け取って」
「貴女を幸せにするものよ」
「そいうしてくれるものよ」
「これは」 
 それはカバノキの葉だった、妖精達はフデレリカの服のポケットというポケット全てにカバノキの葉を詰め込んできたのだ。
 それを受けてだった、フレデリカはきょとんとして言った。
「幸せになるおまじないかしら」
「いいえ、違うわ」
「お家に帰ったらわかるわ」
「貴女のお家にね」
「その時にわかるわ」
 妖精達は自分達が躍った野原のすぐ傍にあるフレデリカの家を見ながら答えた。
「すぐにね」
「だからまずは戻って」
「そしてまた機会があればね」
「私達と踊りましょう」
「ええ、それじゃあね」
 フレデリカは妖精達と笑顔で別れた、そうしてだった。
 家に帰った、そのうえで妖精達に言われた通りにポケットの中のカバノキの葉達を見た、すると全ての葉がだった。
 黄金に変わっていた、それで母に言った。
「お母さん、これ見て」
「何それ全部黄金じゃない」
 娘をそのまま大人にした様な外見の母は仰天して応えた。
「あんたどうしたの?これは」
「実はね」
 フレデリカは妖精達とのことを話した、すると母は納得した顔になって言った。
「そう、あんたの真面目さがね」
「妖精さん達に認めらて」
「それでよ」
 その為にというのだ。
「贈りものを貰ったのよ」
「妖精さん達の言う通りに」
「そうよ、やっぱりね」
 母はフレデリカにしみじみとした顔になって話した。
「遊びたくてもまずはね」
「お仕事ね」
「まずはそれをして」
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「お仕事が終わってからっていうのね」
「遊ぶことよ」
「そのことを忘れないことね」
「そうよ」
 その通りだというのだ。
「決してね」
「わかったわ、そうするわ」
 フレデリカは母の言葉に頷いた、そしてだった。
 この時から死ぬまでまず働きそれが終わってから遊ぶ様にした、すると家は妖精達から貰った黄金に加えてだった。
 働いて得た糧もあり豊かになっていった、そうした村一番の金持ちになり家族と共に幸せに暮らしていけた。ドイツに伝わる古い話である。


黄金の葉   完


                  2023・4・11
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