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ハシバミ鳥
第二章

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 大ベータ鳥は王様に暖かいベッドを持って来て献上してです、お酒にお薬も持って来てそうしてでした。
 そして熱いお料理も出しました、それを全部です。
 王様は飲んで食べて寝ました、その間大ベータ鳥はしかとです。
 王様を看病しました、すると。
 王様は程なくして病気が治りました、ですが色々持って来てお料理をして看病した大ベータ鳥は疲れてです。
 どんどん小さくなってです、遂には。
「また小さくなったな」
「そうだよね」
「象みたいに大きかったのに」
「今ではハシバミの実よりも小さいわ」
「こんなに小さくなるなんて」
「あんなに大きかったのが」
「もうこれだと」
 皆その小さくなった姿を見て言いました。
「ハシバミだよ」
「そうそう、ハシバミよりも小さいし」
「ハシバミ鳥だよ」
「ハシバミ鳥だよ」
「気は小さかったから」
「その気と同じ位の大きさになったのかな」
 こう言うのでした、ですが。
 その鳥の姿を見てです、王様は皆に言いました。
「この大きさになったのはどうしてか」
「はい、王様を助けたからです」
「色々持って来て」
「そしてお料理もして看病をして」
「それで疲れたからです」
「だからです」
「余を助けてのことだ」
 このことを言うのでした。
「なら悪いことか、小さくなったことは」
「いえ、違います」
「その筈がありません」
「誰かを助けたことですから」
「王様をそうしたので」
「余はこのことに感謝する」
 心からというのです。
「まことにな、これよりこの者をハシバミ鳥と名付け」
「ハシバミの実よりも小さいので」
「だからですね」
「それ故にですね」
「そうだ、そう名付けてだ」
 そしてというのです。
「この国の第一の鳥としよう」
「そうされますか」
「これより」
「ハシバミ鳥と名付け」
「そうされますか」
「この者は確かに気は小さい」
 このことは事実だというのです。
「そして姿もそうなった、しかしな」
「誰よりも優しく」
「困っている者を忘れない」
「その心故に」
「そうされますね」
「そうする」
 まさにというのです。
「ではよいな」
「わかりました」
「それではです」
「その様にしましょう」
 他の生きもの達も頷いてでした。
 以後この鳥をハシバミ鳥と呼ぶことにしました、そして彼の変わらない優しさを受けて彼をこれまで通り愛し仲良くしました。
「身体は違っても心は変わらない」
「名前は変わっても」
「本当にいい鳥だよ」
 こう言って彼と仲良くし続けました、そして今もハシバミ鳥は皆から愛されています。ミャンマーの古いお話です。


ハシバミ鳥   完


                2023・3・15
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