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猫はお家の中へ
第一章

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               猫はお家の中へ
 イリノイ州シカゴで生きものの保護活動施設でボランティアをしているジェニファー=スタインベック小柄なアフリカ系の彼女は。
 その通報を受けてクルス家に行くとだった。
「ニャ〜〜〜」
「この子がですか」
「そうなのよ」
 見ただけでアジア系とわかる黒髪を後ろで束ねた痩せた小柄な女性が応えた。
「うちのポーチにずっといて」
「そうしてですか」
「うちに入りたさそうで保護したけれど」
 それでもというのだ。
「診察してくれるかしら」
「家族にされますか?」
「そのつもりだけれれど」
 それでもとだ、クルス家の主婦でありケイコは答えた。
「まずはね」
「診察ですね」
「それで病気があったら」
 その時はというのだ。
「治療してくれるかしら」
「そうしてですね」
「治療が終わったら」
 その時はというのだ。
「うちでね」
「家族に迎えてくれますか」
「そうさせてもらうわ」
「ニャ〜〜〜」
 黒く大きな目のクリーム色と黒の模様の長い毛の子猫を見つつ答えた。
「是非ね」
「わかりました」
 ジェニファーはケイコの言葉に頷いた、そうしてだった。
 一旦施設で引き取って診察した、すると。
「やっぱり病気あったのね」
「野良でしたから」
 ジェニファーはケイコに彼女の家で答えた、隣には夫でトラックの運転手をしているマサカズ長身のアジア系の彼がいる。
「やはり」
「そうだったのね」
「ですが治療しまして」
 それでというのだ。
「今はです」
「大丈夫ね」
「はい」
 そうだというのだ。
「ですから安心して下さい」
「それならね」
「それなんですが」
「ニャ〜〜〜」
「ナァ〜〜〜」
 見れば子猫ナギーと名付けられた彼は。
 今雌の黒猫と身体を舐め合っていた、そうして毛づくろいをしていた。ジェニファーはその二匹を見て言った。
「仲がいいですね」
「ローズバットっていうんだ」
 マサカズが言ってきた。
「うちに前からいた娘でね」
「その娘とですね」
「うちに入ってすぐに打ち解けて」
 そうなってというのだ。
「こうしてね」
「仲良くなったんですね」
「そうなんだ」
 こう言うのだった。
「有り難いことにね」
「思わぬ形でうちに来たけれど」
 それでもとだ、ケイコは笑顔で話した。
「もうすっかりね」
「ご家族になりましたね」
「そうなったわ」
 ジェニファーに明るい笑顔で答えた、その笑顔と幸せそうにローズバットと毛づくろいをし合っているナギーを見てだった、彼女も笑顔になった。
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