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知能指数はあてにならない
第一章

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                知能指数はあてにならない
 ある日だ、工藤俊彦小学五年生の彼は家の中で母の早苗に眉を曇らせて言った。黒髪をスポーツ刈りにしていて小さな目と面長の顔である。
「お母さん、僕知能指数低いかな」
「この前学校であったのよね」
 母はすぐに応えた、黒髪を短くしていて大きな垂れ目で口は小さい。背は一四八位でスタイルは普通位だ。
「そうだったわね」
「結果出ていないけれど」
 もっと言えば教えられていない、生徒達には。
「どうなのかな」
「それであんた自分がなの」
「うん、馬鹿なのかって」
 その様にというのだ。
「思ってるけれど。ほらお兄ちゃんはね」
「成績いいわね」
「学年でもかなりだよね」 
 一つ上の兄の助清自分と同じ顔立ち父の勇気公務員の彼の顔を受け継いでいて黒髪をショートにしている彼のことを話した。
「そうだよね、けれど僕は普通位だから」
「馬鹿かも知れないっていうのね」
「そうなんだ」
「あのね」
 即座にだ、母は息子に言った。
「気にしなくていいのよ」
「知能指数は?」
「あんたサッカー好きでしょ」
 サッカーチームに入っている彼のことを話した。
「それでレギュラーになったでしょ」
「それがどうかしたの?」
「最初は下手だったでしょ」
 今はチームでレギュラーだがというのだ。
「そうだったでしょ」
「全然ね」 
 息子もそれはと答えた。
「何も出来なかったよ」
「そうでしょ」
「ドリブルもパスもシュートも」 
 そうしたこともというのだ。
「全く出来なかったよ」
「そうでしょ」
「教えてもらって練習して」
「全部出来る様になったわね」
「そうだよ」
「そういうことよ」
 まさにというのだった。
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