第一章
[2]次話
子作りをする場所
そろそろ二人目が欲しい岩本奈央は夫の健治に言った。奈央はアーモンド形の目で微笑んだ赤い唇でやや丸い顔を持っている。黒髪はショートにしていて一六六程の背でスタイルはグラビアアイドルの様である。
「どうかしら」
「博一の弟か妹がなんだ」
夫は妻に応えた、背は一七二位で痩せている。眼鏡をかけていて眉は細い。穏やかな目で唇は薄い。鼻と耳は大き目で黒髪は短いがが量は多い。仕事は市役所の職員である。
「欲しいんだ」
「そうじゃない？あなたも」
「そう言われるとね」
夫も否定しなかった。
「そろそろね」
「それじゃあね」
妻は笑顔で述べた。
「そうしたことをしようか」
「これから積極的にね」
「うん、ただね」
夫は妻の言葉を受けて言った。
「それは何時するかだけれど」
「そうしたことをするのは夜でしょ」
妻の返事は素っ気ないものだった。
「やっぱり」
「いや、博一がいるから」
夫は自分そっくりの三歳の息子のことを話した。
「若しもだよ」
「博一に見られたら？」
「どうかってなるよ」
「そう言われると」
奈央も微妙な顔になって言葉を返した。
「そうね」
「しかもお義父さんとお義母さんもいるから」
夫は同居している妻の両親のことも話した。
「ちょっとね」
「夜するといっても」
「難しいよ、寝室同じ二階だしね」
「じゃあどうしようかしら」
「する時間は夜じゃないとね」
夫は難しい顔でこのことも話した。
「だからね」
「お昼はね」
「お互い仕事だし」
「そうよね」
奈央も公務員で昼は働いているのだ。
「そうなるとね」
「ちょっとね」
「難しいわね」
「寝室は博一がいて」
「お父さんとお母さんもいるし」
「難しいよ」
「じゃあどうしようかしら」
「夜こっそりお風呂場でとか時間があったらホテルに行くとか」
夫はここでこう言った。
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