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仮面ライダーカブト 明日のその先へ
第三章
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「ゴン」
 風間は彼女を見送るとゴンに顔を向けてきた。
「次の仕事は何だったかな」
「今日はこれで終わりよ」
「そうか。じゃあ帰るか」
「うん」
「残念だけれど」
 そこに黒っぽいスーツとズボンの整った顔立ちの女がやって来た。風間は彼女の顔を見て声をあげた。
「岬さん」
 姿を現わしたのは岬祐月であった。彼女は澄ました感じの顔と声で彼に対してきていた。
「大きな仕事を頼みたいのだけれど」
「大きな」
 風間の表情がその言葉を聞いて微妙に変わった。メイクアップアーチストの顔からもう一つの顔になろうとしていたのだ。
「頼めるかしら」
「女性の頼みは断らない主義ですが」
 いつもはにこやかに笑う筈なのに今回は違っていた。
「どうやら今回は断れないようですね」
「そうよ。貴方にも直接関係ある話だから」
 岬は真剣な面持ちでそう述べる。
「すぐに来てくれるかしら」
「いえ、それには及びません」
 しかし風間はその誘い自体は受けはしなかった。
「私は風、自由に動かさせてもらいますよ」
「協力はしてくれるのね」
「はい」
 その問いには答える。しかし笑みはない。真剣な顔で答えていたのだ。
「私もライダーですから」
「そう。今度の戦いは大きくなるわよ」
 岬はあらためて彼に述べる。
「少なくともワームはまだいるわ。それは覚えておいてね」
「ええ」
「それじゃあまた」
 それを言い残して立ち去ろうとする。
「会いましょう。けれど今度は私達は貴方の敵にはならないわ」
「貴方達というと」
「ゼクトは再結成されたわ」
 岬は自分の口でそれを述べてきた。しかしそれは風間にとっては案外何でもないものであった。平然とした顔でそれを浮けるだけであった。
 そのうえで。彼はまた口を開いた。
「そのゼクトの今度の目標は」
「ライダーシステムではなくワーム、いえもっと別なのかも」
「別の!?」
「私にもそこまでは知らされていないの。ただワームと怪しい動きを見せるネイティブがいるのがわかるだけ。それだけなのよ」
「それだけではないのはわかります」
 風間は岬にまた言葉を返した。
「どうやら私は大変なことに巻き込まれてしまったようですね」
「そうね。私もね」
 岬はここでも表情を変えない。相変わらずの様子であった。
「それを確かめる為にも」
「はい、戦うしかありませんね」
「ええ。それじゃあまた」
 そこまで伝えたうえで岬はその場を後にした。後に残った風間はゴンに顔を向ける。そこでやっとにこりと笑うのだった。
「かなり危なくなるけれど。家には帰らないんだな」
「もうお母さん知ってるから」
 そう風間に答える。
「だから心配しなくていいから」
「そうか、じゃあ行くか」
「うん」
「その大き
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