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私の 辛かった気持ちもわかってよー
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8月初め、岸森先輩もインターハイの準決勝で負けたみたいで帰って来て。そして、合宿が始まる。5泊で滋賀県長浜の琵琶湖の近く。コートの近くで琵琶湖のほとりのホテルが取れたみたいだった。ウチの学校の大学のほうのクラブは信州に行くって聞いていた。同じ学校なのだけど、あんまり交流は無いみたい。コートも違う場所だし、コーチも勿論違っていた。

 ホテルに着いて、昼食の後、ミーティングから始まった。合宿に応援指導をしてくれるという行長コーチの先輩という人、古賀さんの紹介があった後、岸森先輩のダブルスのペァの2年生西田先輩が、膝関節挫傷でしばらく練習も出来ないので、代わりをということになっていた。

 コーチは、1年生なのだけど、このところ伸びてきている1年生の杉田みく美ちゃんに向かって、どうだと聞いていた。だけど、その途端、岸森先輩が私に

「わさび !」と、睨んできていたのだ。私は・・・震えたようになって

「あっ あっ あの私・・・ 組ませてください」と、あーぁ 言ってしまったぁー。

「いいじゃぁないですか? コーチ 私、山葵となら勝ち進めると思います」と、言ったものだから、コーチも岸森先輩の言いなりで決まってしまった。

 その日の午後から、古賀さんは、比較的、私に傍に居て細かく指導していた。そして、皆がその日の練習を終えたのに、私は岸森先輩に引き留められて、ボレーの練習を・・・。へとへとでホテルに戻ると、シャワーする間も無く、夕食の時間だった。
部屋は私と美湖、みく美でツインにエキストラベッドを入れた3人部屋、1年生は1部屋3人で、上級生はツインの2人部屋なのだ。夕食の後、8時から有名選手の試合ビデオを説明付きで30分見せられて、明日は6時から1時間のラン・トレーニングなのだ。

「山葵 良かったわー 私 岸森先輩とペァなんて とても 出来ないよー」

「うっ ウチやって 同じよー だけど あの人のお守りは ウチにしか・・ あの人はウチをしごきたいのよー イジメのようにね」

「だよねー 前から 山葵には厳しいものねー まぁ そんなこと忘れて 琵琶湖に散歩行こうよー きれいよー」と、美湖は気楽に言ってきたが

「うーん 寝る ウチ 明日からのこと考えると休息 第一やからー となりの部屋 誘えばぁー」

 案の定、次の日から私の地獄は始まった。朝食を挟んでのラン・トレーニングはまだましだったのだけど、9時からのコートに入ってから、岸森璃々香から鬼のようにしごかれていたのだ。

「山葵 助かるわー あなたがペァになってくれて きっと 代表まで行くワ 私の時と 違うものー ターンの速さとか 璃々香の動きも違うしー」と、西田先輩も励ましていてくれていたけど・・・本人は膝にサポーターをして、気楽なものだつた。私は、出来るの
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