第一章
[2]次話
豚骨対醤油
サラリーマンの新潟勤は職場でカップ麺を食べている時に言った、明るい顔立ちで面長で赤髪は癖がある。背は一七五位ですらりとしている。
「やっぱりインスタントラーメンは豚骨だよな」
「いや、醤油だろ」
その言葉を聞いた課長の江戸橘樹はすぐに言い返した、長方形の顔で黒髪は短く鋭い目をしている。背は新潟と同じ位で引き締まった体格をしている。
「インスタントラーメンは」
「そっちですか？」
「そうだろ、やっぱりな」
インスタントラーメンはというのだ。
「王道でな」
「醤油ですか」
「他のが悪いって訳じゃないけれどな」
それでもというのだ。
「一番いいのはな」
「醤油ですか」
「豚骨は二番だな」
「俺一番はです」
真面目な顔でだ、新潟は江戸に話した。
「やっぱりです」
「豚骨か」
「そうですよ、もうです」
それこそというのだ。
「まずはです」
「豚骨か」
「はい、そうですよ」
「言うな、どっちが一番かか」
「仕事の話じゃないですよ」
上下関係のあるそれだとだ、新潟はそこは断った。
「だからいいですよね」
「別にこうしたことで何か言うか、個人的な好みだろ」
江戸もそこはわかっていて言った。
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