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私の 辛かった気持ちもわかってよー
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 年末に向かって、お店と仕出しは29日までで30.31はおせち料理の準備になっていた。30日は親方と健也さんは煮物とか仕込みをやっていて、私はお重の準備をしていた。そして、次の日は朝早いからと、その日は4時頃に終えていた。

 次の日はバイトの大学生を3人呼んでいると言っていたけど、私は桔梗にも手伝いなさいと言ったのだけど

「なんでよー ウチなんか 邪魔するだけやしー」と、渋っていた。

「邪魔にならんように手伝えばええやん 1年1回のことやし 少しでもお父さんの手助けになったらええやん いつも ウチ等の好き勝手させてもらってるんやから・・」

「・・・」

「わかったぁー バイトの人達 6時に来るからね!」

「それってぇー ・・・」

 お父さん達は3時から仕事に入ると言っていた。早朝というより、深夜だ。私もなんとかとは思っているのだ。

 そして、なんとか健也さんと私は親方より早く作業場に居て、二人で「おはようございます」と、挨拶をすると、親方は私を見て

「山葵 いくらの和え物を作れ 作り方は健也に聞いて とりあえず先に50個、カップに入れてナ」と、言い放って、自分は鰤の処理に取り掛かっていた。

 初めて、作らせてもらえるんだと思いながら、私は少し緊張しながら、健也さんに教えてもらったように、えのきとか筍を小さめにカットしていくらと作ってあったタレと混ぜ合わせて、小鉢のようなカップに分けていったのだ。その後も、チョコチョコと親方の手伝いをさせられて、6時になるとバイトの人、そして、お母さんの後ろから桔梗の姿もあった。お母さんは盛り付けと仕上げの包装にそれぞれ指示をして振り分けていた。

 そして、10時前に30セット、11時前に20セット、それぞれ地元のスーパーと個人の八百屋さんに配達の人が持って出て、残り50セット程はぼちぼちとお店にお客様が取りに来ていた。4時前にすべてが終わって、バイトの人は帰ってもらって私達だけで最後の掃除に取り掛かっていたのだけど、途中でお父さんが桔梗に

「今日は ありがとう 助かったよ 後はワシ等だけでやるから 桔梗は家でお母さんの手伝いをしなさい 健也と打ち上げするから、その用意」

 なんでー 私には、一言もありがとうなんて言ってもらったことも無いのにー。今日も、お尻をベシッとやられることも無く、ちゃんと教えられたようにやってたじゃぁない と、私は少し不満だった。

 お店の中も調理器具なんかもすべてきれいにして、最後に健也さんと〆飾りを取り付けて謹賀新年の張り紙をして、お店の中に戻ると、親方は鏡餅を飾っていた。親方と健也さんがその前に並んで「今年も1年 無事でありがとうございました 来年もよろしくお願い申し上げます」と、私も仕方なく、併せて唱和してしまった
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