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派手な軍服
第二章

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 フランス軍を向けた、だが。
 そのフランス軍を見てだ、前線視察に来ていたドイツ陸軍参謀総長ヘルムート=ヨハン=ルートヴィヒ=フォン=モルトケは周りに冷静に告げた。
「フランス軍は的だ」
「はい、あまりにも目立ち」
「それで、ですね」
「すぐにわかるので」
「だからだ」
 それでというのだ。
「いいな、一人一人冷静に狙ってだ」
「撃てばいいですね」
「フランス軍については」
「そうしていいですね」
「そうしろ、まさかだ」
 モルトケはこうも言った。
「今時あの様な軍服だとはな」
「上は濃い青のコートで」
「下は鮮やかな赤のズボンです」
「ケピ帽は兎も角です」
「目立って仕方がありません」
「目立つならばだ」
 戦場でというのだ。
「もうな」
「思う存分ですね」
「狙い撃ち出来ますね」
「今は」
「銃の制度が上がっている」
 モルトケはこちらの話もした。
「だからな」
「それで、ですね」
「ここは冷静に狙い」
「そして倒していきますね」
「ここは」
「そうするのだ」 
 モルトケは眉一つ動かさず冷静なままだった、そしてドイツ軍の将兵達は戦場の赤と青を見ると躊躇することなくだ。
 狙い撃ちにした、そうするとだった。
 フランス軍の将兵達は次々と倒されていった、誰もがその損害の多さに驚いた。
「何ということだ」
「この損害は酷いぞ」
「一体どうしてだ」
「何故こうなった」
 ドイツ軍の攻撃を受ける中でそうなっていた。
「やられっぱなしだぞ」
「ドイツ軍が強いことはわかっているが」
「それでも酷過ぎるぞ」
「狙い撃ちにされている感じだな」
「将兵達が」
「これはどうしてだ」
「目立つからだろ」 
 ここである者が言ってきた。
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