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姥か火
第三章

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 その火を見てだ、楓は言った。
「イギリスの妖精ですかね」
「ウィル=オ=ウィプスね」
 グレースも応えた。
「あの妖精ね」
「私あの妖精実は人魂じゃないかって思ってます」
「そっくりだしね」
「外見も動きも」
「そうよね、私もそう思うわ」
「それですかね」
 グレースにその火を見つつ話した。
「これって」
「そうかしら、いや」 
 グレースはその火をよく見てあることに気付いて言った。
「火の中に人の顔あるわよ」
「あっ、そういえば」
 楓も火をよく見て応えた。
「そうですね」
「お婆さんのお顔ね」
「そうですね」
「ひょっとして」
 その老婆の顔を見てだ、グレースは言った。
「淀殿さんとか」
「あっ、当時そう呼ばれてないです」 
 その女性はとだ、楓はすぐに突っ込みを入れた。
「あの人は」
「そうなの」
「お袋殿と呼ばれていました」
「秀頼さんのお母さんだから」
「官位もなくてお名前で呼ぶのも失礼ということで」 
 茶々というそれをだ。
「それでなんです」
「お袋殿って呼ばれてたの」
「そうなんです」 
 彼女の生前はというのだ。
「伊達政宗さんもお手紙でそう書いてました」
「お袋殿って」
「まあお嫌いだったらしくて」
 それでというのだ。
「悪いこと書いてました」
「そうだったのね」
「しかもあの人死んだの四十歳ですから」
 他ならぬ大坂の陣で自害している。
「あんなお婆さんじゃないですよ」
「そういえば肖像画のお顔と全然違うね」
「美人さんだったみたいですね」
「お母さんによく似た」
「そうだったらしいですしね」
 彼女の母はお市の方であった、戦国市の美女と詠われた。
「まあ性格は全くです」
「似てなかったのよね」
「お母さんは穏やかだったそうですが」 
 そのお市の方はというのだ。
「けれどあの人は」
「かなり怒りっぽかったのよね」
「ヒステリー持ちだったらしいですね」
「よく怒ってたのよね」
「それで家康さんに丑の刻参りをしていたとか」
 その様にというのだ。
「言われてます」
「うわ、それってね」
 どうかとだ、グレースはその話を聞いて言った。
「よくないでしょ」
「人を呪わばですね」
「穴二つでね」
「そのせいですかね、あの結末は」
「負けて自害したのは」
「そうかも知れないですね」
「そうですね、それであのお婆さんは」
 火の中に顔を出している彼女はというのだ。
「絶対にです」
「あの人じゃないわね」
「大坂の陣で死んだ女の人でしょうか」
 楓は自分の考えを述べた。
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