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ドリトル先生と山椒魚
第十二幕その六

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「そうした意味でだよ」
「接点あったね」
「それで三島さんはだね」
「学生時代太宰さんに会う機会があって」
「太宰さんの文学は嫌いだって言ったのよね」
「そうだよ、三人共否定的な意味だけれど」
 それでもというのです。
「面白いことにね」
「接点はあったね」
「そうだね」
「その人達と」
「太宰さんは意外と交流が広かったんだ」
 そうした人だったというのです。
「これがね」
「暗いイメージがあったけれど」
「そうでもなかったんだ」
「意外と社交的?」
「そんな人だったんだ」
「鬱になると暗くて」
 そうなってというのです。
「死にたいと言ってね」
「自殺しようとしたね」
「実際に何度も」
「けれどだね」
「明るい時もあったのね」
「躁鬱とするなら躁の時はね」
 この時はというのです。
「結構ふざけたり明るくて」
「それでなんだ」
「人ともお付き合いしていたんだ」
「そうした人だったんだ」
「うん、それで井伏さんとも戦争が終わるまではね」
 この時まではというのです。
「疎遠じゃなかったし」
「疎遠になったのは戦後で」
「それからで」
「それまでは親しかった」
「そうだったから」
「影響を受けていたよ、尚太宰さんの方から距離を置いていて」
 戦後はというのです。
「井伏さんはずっとね」
「太宰さんを気にかけていて」
「心配していた」
「そうだったんだ」
「あの人は」
「そうだよ、太宰さんのことを主に話してるけれど」
 今はというのです。
「けれどね」
「井伏さんだね」
「あの人のことを書くんだね」
「今度の論文では」
「そうするよ」
 実際にというのです。
「僕はね」
「じゃあね」
「そっちも頑張ってね」
「井伏さんの論文も」
「そちらもね」
「そうするよ」
 先生は笑顔で約束しました。
「書きはじめたらね」
「それじゃあね」
「今回も応援させてもらうよ」
「そして身の回りのことは任せてね」
「家事とかはね」
「いつも通り私達がするわね」
「宜しくね」
 先生は皆に笑顔で応えました、そうしてです。
 まずはオオサンショウウオの論文を書いていきます、そしていよいよ終わろうと言う時になのでした。
 王子の別荘日本の彼のお家にトミーそれに動物の皆と一緒に招待してもらって色々なお料理をご馳走になる中で、です。
 先生は蛙の唐揚げを見て笑顔で言いました。
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