暁 〜小説投稿サイト〜
DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
神聖なる英雄像
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
<サマンオサ>

アルル達はラーミアに乗り、サマンオサへと降り立った。
本当であればバラモス城へ乗り込んでいるのだが、リュカが至極常識的な事を言った為、決戦前に各国へ挨拶に訪れたのだ。

勇者アルルを筆頭に、ハツキ・ウルフ・カンダタ・モニカ・ラーミア・ミニモン・ティミー・マリー・ビアンカそしてリュカ…このパーティーで挑む事に…
因みにリュカのルーラで赴かなかったのは、
「ラーミアで乗り付けたら、みんな驚くんじゃね?」
と言う、先程とは打って変わって非常識なリュカの意見を、
「それ、いいわね!」
と、ティミー以外の全員が賛同したからである。


数ヶ月前は荒んだ町並みだったが、今では見違える程変わり、復興が進んでいる。
商店街も全てではないが、多くの店が営業し、皆が明るい笑顔で商いを行っている。
「やっぱ城下はこうでなきゃね!」
城への道を歩きながら、嬉しそうに呟くリュカ。
すると1人の少年が、リュカを見るや大声で叫ぶ!
「あ!リュカ様だ!!」

その声を切っ掛けに、リュカの周りには忽ちの内に人集りが出来、皆口々に感謝の言葉を述べている。
「な、何でこんなに有名なの?」
リュカは人集りに辟易しながら、無碍にも出来ずに困り顔でビアンカを見つめる…
無論ビアンカに応えられる訳もなく、ただ困惑するのみ…

TVもなく、写真もないこのDQの世界で、名前だけならともかく、顔までもが有名になるのは難しい。
だが今此処に集まってきている人々は、間違いなくリュカの容姿を知っている。
その事にも困惑していると、愛娘が1枚の絵を指差し、笑いを堪えて語りかけてきた。
「お父さん…こんな絵が…」
小さな美術店の店先に、醜いバケモノを相手取り、凛々しく剣を構えて戦っているリュカの絵が売られている。
「な、何じゃこりゃ!?」
人集りを掻き分け、マリーが指し示した絵の前へと移動する…

店の中には、この絵以外にもリュカが描かれた作品が多数あり、その全てに『フィービー』とサインが記されている。
「こんなシーン知らないぞ…」
飢えた貧しい人々に、安らかな笑顔で食料を配布するリュカ…
幼い少女を庇い、多数の悪逆な兵士と対峙しているリュカ…
全ての絵に共通しているのは、リュカには神々しく後光が差し、神聖視されて描かれているのだ。
奥から現れた店主の態度を見れば明らかで、リュカを見るなり神を前にしているかの様に恭しく頭を垂れる。

リュカはこの美術店から絵を2枚借り…店主は『そんな借りるなんて…どうぞ、お好きな物をお持ち下さいませ。リュカ様にでしたら、店ごとお譲り致しますから』と、インチキ宗教のエセ教祖に、盲目的にのめり込むバカ信者の様な態度をとられ『うるせー!返すってんだろ!』と、キレてから城へと向かった。



[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ