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恩人が居候になって
第一章

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               恩人が居候になって
 OLをしつつユーチューバーとして名前が知られている小松吉能黒髪をショートにしていて小さな丸めの顔とアーモンド形の大きな愛嬌のある目に小さな赤い唇と形のいい鼻を持つ小柄で一五七センチ位の均整の取れたスタイルの彼女は。
 職場の先輩であり入社してすぐの時に何かと仕事のことを教えてもらって助けてもらっていた渡辺千夏の話を聞いて言った。
「そういえばあの人の仕事先の千葉で」
「洪水があったでしょ」
「ええ、それで下宿先がなのね」
「流されてね。あの人は避難していたけれど」
 それで無事だったがとだ、同僚は吉能に話した。
「それで今大変らしいのよ」
「そうなのね」
「それであの人こっちに復帰することになってたけど」
「本社に」
「それでもね」 
 同僚は難しい顔で吉能に話した。
「今寮も満室で」
「あの人下宿探さないと駄目なのね」
「新しいね、本来は大阪の本社に復帰する時に」 
 その時にというのだ。
「下宿先も探せたけれど」
「こっちの」
「それも無理であの人実家石川県だし」
「大阪に通うのは無理ね」
「今会社で下宿先探していても」
「見付かるまでの間何処に住むか」
「あの人はカプセルホテルとか漫画喫茶でとか言ってるらしいけれど」 
 それでもというのだった。
「それもね」
「女の人でそれはね」
「災害もあって避難の意味で本社復帰も早まったし」
「ドタバタしてるわね、じゃあね」
 吉能はここまで聞いて言った。
「あの人にはお世話になってきたし」
「あんたそうだったわね」
「入社からね、だからね」
 それでというのだった。
「私でよかったら下宿先見付かるまでね」
「あんたのアパートでなの」
「暮らしてもらうわ」
「いいのね」
「ええ、会社の方にも提案してみるわ」
 こう言って実際に提案するとだった。
 それが通って千夏は下宿先が決まるまでの間一時的に吉能のアパートに入ることになった、千夏は黒髪を伸ばしパーマを当てて後ろで束ねやや面長で顎が尖っている。二重の小さ目の吊り上がった感じのアーモンド形の目と小さないつも微笑んだ感じの赤い唇に高めの鼻を持っている。背は一六六位でスタイルはかなりいい。
 その彼女がだ、吉能の家に入ると深々と頭を下げてきた。
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