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未来から来た人なのか
第一章

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                未来から来た人なのか
 ネット上で紹介されていたある浮世絵を観てだ、大学生の泉田元面長で眼鏡をかけた黒髪をショートにした一七〇位の背で痩せた彼は首を傾げさせた。
「この浮世絵確かにおかしいね」
「あれっ、これスカイツリーかな」
 同じ大学の同じ学部の小池清もその浮世絵を観て言った、穏やかで面長の顔で黒髪を真ん中で分けている。背は一七二位でひょろりとした風だ。
「浮世絵に?」
「スカイツリーって平成に建てられたけれど」
「江戸時代の浮世絵にあるかな」
「ある筈ないよね」
「はっきり言ってね」
 小池もそれはと返した、二人共今は昼食後でキャンバスのベンチに並んで座ってくつろいでいる。その中でスマホを観てのことだ。
「有り得ないよね」
「そうだよね」
「どういうことかな」
 小池は首を傾げさせて言った。
「これって」
「たまたまかな」
 泉田は今度はこう言った。
「あの、たまたまね」
「この浮世絵描いた人が描いたとか?」
「想像でね」
「いや、スカイツリーって平成のものでね」
 小池はそれはないという顔で答えた。
「流石にね」
「江戸時代にだね」
「想像することなんてね」
「無理かな」
「それすらね」
「想像は人それぞれでも」
「中には凄い発想をする人がいてもだよ」
 小池はそれでもと話した。
「流石にね」
「ないんだ」
「ないよ」
 全くというのだ。
「やっぱりね」
「やっぱりそうだね、まあ普通にね」
 泉田もそれはと返した。
「江戸時代にスカイツリーなんてね」
「ある筈がないしね」
「想像すらだね」
「出来ないよ、というかこの浮世絵もおかしいよ」
 小池はネットにある別の浮世絵を出して言った、彼もスマホでそうした浮世絵を検索してみたのだ。
「ハンバーガーあるし」
「江戸時代に?」
「これもないよ」
 ハンバーガーもというのだ。
「考えてみれば」
「これもだね」
「有り得ないよ」 
 流石にというのだ。
「お肉もパンも食べる文化ないし」
「ある筈ないね」
「どちらの浮世絵もおかしいね」
「そうだね」
 二人で話した。
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