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DQ3 そして現実へ…〜もう一人の転生者(別視点)
勝者と強者の違い
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現実を痛感するハツキさん。
お父さんに抱き付き声を殺して泣き出した。

「ハツキ…元気出して…まだハツキには星降る腕輪があるじゃないか。ほら…腕を出してごらん」
取り決めをし、勝負して負けたのだ…最早覆る事は無い。
だからだろう、お父さんは殊更優しい声でハツキさんを励まします。

「おい!何だ、その『星降る腕輪』ってのは?それも特殊なアイテムか?そんな弱い(やつ)が持つより、そいつに勝った強い俺様が持った方が有効的だ!それも貰おうか」
コイツ、イオナズンで吹き飛ばしてやろうか!?
空気を読まない馬鹿(ナール)は、お父さんの言葉を聞き星降る腕輪にまで興味を持ってしまった。

「あ゙ぁ?…何だキサマ…何調子こいてんだコノヤロー!」
ふん、ざまー!
アンタは私のお父さんを完全に怒らせてしまったのよ!
死ぬ程後悔しなさい!

「当然だろうが…強い者が強い装備を纏うのは、自然界の摂理だ!おら、それを渡せよ!」
本当に空気の読めない馬鹿ね!
相手の強さも読めないのだから、空気ぐらいは読める様になりなさいよ!

「ふざけんな馬鹿!これは俺の所有物だ。ハツキに貸してあっただけで、元々は俺の物だ!…そんなにこれが欲しいなら、俺を倒してから所有権を主張しろ馬鹿!」
ほら見なさい、お父さんの一人称が『俺』になってるでしょ!
マジ切れしてんのよ!さっさと謝っちゃいなさいよ!

「お前はさっきの勝負を見てなかったのか?俺様の実力は十分解っただろう!?それなのに俺様に勝負を挑「うるせーな!俺はお前なんぞどうでもいいんだよ…お前こそこの腕輪が欲しいんだろ?俺と勝負()るのか勝負()らないのか…ハッキリしろ馬鹿!」

「けっ!面白いじゃネーか…やってやるよ!お前もさっきの女同様に瞬殺してやんよ!」
「瞬殺?…お前言葉の意味を知らないのか?15分もかかってハツキを倒したじゃねーか。そう言うのは瞬殺とは言わないんだ馬鹿!」
「う、うるせー!そんなことどうだっていいんだ…人の事を馬鹿馬鹿言いやがって!馬鹿って言うお前が馬鹿なんだよ!」

あぁ…事態が泥沼化して行く…
これでこの男の命は終わりを迎える…
こんな所で、どうでもいい馬鹿を殺せば、警備兵等が黙ってないだろう。

「はぁ〜…喜べ馬鹿。お前は僕が出会った馬鹿の中で、最高に馬鹿だった奴を抜き、ナンバー1に躍り出たぞ!キング・オブ・馬鹿」
まったくだ…馬鹿の中の馬鹿。
他の追随を許さない馬鹿。

「よ〜し…そんなキングにサービスしてやろう!」
そんな馬鹿に対し、極めて明るい口調で話しかけ、星降る腕輪を投げ渡す。
一体何を?

「それは星降る腕輪…装着した者の素早さを大幅に増幅するマジックアイテムだ。僕と戦うにあたり、それの装着を許可しよう!
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