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犬は愛情を忘れない
第二章
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「ワン!」
「ワンワン!」
 目の前で二匹の金色の毛のゴールデンレッドリバー達がだ。
 駆け寄り合ってそのうえで親し気に遊び合った、コールウェンは最初友達同士がここで会ったのかと思ったが。
「あの実はね」
「実は?」 
「うちのマオイロシアから貰ったけれど」
 そのうちの一匹と一緒にいた長いさらりとしたブロンドで青い目でやや面長の顔のスタイルのいい若い女性が言ってきた。
「あちらのブリーダーさんから」
「そうなんだ」
 女性と一緒にいる若い見事なスタイルの品のいい白人の青年も言ってきた。金髪は短く彫のある顔で目は緑だ。
「彼女はね、僕はヘンリー=キッシンジャーこの街のハイスクールで数学を教えてるよ」
「私はケイトリン=ホーキンズ、彼と同じハイスクールで英語を教えてるわ」
「二人共先生ですか」
「結婚はしていないですが」
「一緒に暮らしています」
 二人でこのことを話した。
「それで今日はここに来ました」
「お買いものに」
「そうしたらです」
「マオイが急に」
「あの」
 ここでもう一方の犬の飼い主達も言ってきた、二人は黒い髪と目のアジア系であった。
「ヨウスケ=イノウエです」
「サチコ=イノウエです」
「二人でアイスクリーム屋をやっています」
「夫婦なんですが」
「あの、うちのジュニパーもです」
「ロシアから貰ったんですが」
「まさか」
 二人の話を聞いてだった。
 ホーキンズはまさかと思って夫婦に彼等の愛犬のことを聞いてそれぞれのナンバーをチェックするとだった。
「姉妹でしたか」
「この娘達は」
「まさかと思いましたが」
「ロシアで生まれてシアトルまで来た」
「そんな娘達だったんですね」
「これは驚いた」
 コールウェルは実際に驚いて言った。
「ロシアで生まれてシアトルで再会するなんてな」
「全くです」
「奇跡ですよ」
「それでずっと覚えていて」
「会ってすぐにわかるなんて」
「全くだな、犬ってのは本当に覚えてるんだな」 
 コールウェルはこのことも知った、そして。
 二匹の飼い主達がお互いにこれからも二匹を会わせようと約束したのを見て心から笑顔になった、そしてネットでこのことを紹介すると。
「そうか、凄い評判か」
「そうなんだよ」
 自宅にブライアントが来た時に笑顔で話した。
「お前の話もだけれどな」
「犬同士でもだな」
「なるな、犬って本当に頭いいな」
「ずっと相手のことを覚えてな」
「再会を喜んでくれる」
「そうしたいい生きものだな」
「本当にそうだな」
 二人でこうした話をして犬の素晴らしさを確かめ合って喜んだ、そのうえで楽しい時間を過ごしたのだった。


犬は愛情を忘れない   完


                  
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