百鬼夜行
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シリルside
ファリスさんは顔をうつ向かせるとただでさえ暗かった顔色がさらに重苦しいものへと変化していく。それだけ彼女の抱えている問題が深刻であるものなのだろうと俺たちは予想することができた。
「臨界魔法世界はここ・・・エドラスとは違う問題を抱えています。魔力が多すぎて膨張し、噴火寸前の火山のような状態なのです」
「そんな風には感じていませんでしたが・・・」
「普通の方にはわかりません。私の家系は代々エレンティアの多すぎる魔力を消す巫女をしているのです」
「魔力を消す巫女?」
「それが白滅の力なのね」
ルーシィさんの問いを肯定するファリスさん。彼女の力は代々受け継がれてきたものなのか、そう考えるとその一族って相当優秀なんじゃないのかな?と思ってみたりする。
「年に数回、各地にいる白滅の魔導士が魔力を消していかなければ、エレンティアは大爆発を起こすと言われています」
「なんと・・・」
「そいつは物騒だな」
魔力が爆発するというのは想像できないけど、何かとんでもないことが起きてしまうのではないかということだけはなんとなくわかる。その際、先程のブランドの言葉を思い出し俺はそれを問いかけた。
「それはもしかして魔神が原因で?」
エレンティアで崇められている神のことを知っているのは俺とブランドだけなので他のメンバーは何のことを言っているのかわからず首をかしげている。ただ、ファリスさんはその問いに首を振った。
「よくご存じですね。ですが、魔神様のお怒りではありません。エレンティアの魔力がおかしくなり始めたのは、別の方が原因なのです」
「誰なんですか?その人は」
ウェンディの問いに答えるか一瞬迷ったように見えたファリスさんだったが、彼女はもう隠せないと感じたのか話し始めた。
「ある日セレーネと名乗る女性が私の下に訪ねてきました」
ファリスさんの下にやってきたセレーネは他の五神竜を倒すためにアースランドの魔力を消すことを頼んだらしい。彼女以外の五神竜を殺さないのならエレンティアを彼女の支配下に置かれてしまう。
そのためまずはトウカの身体を奪い水の翼でアースランドへとやってきて、白魔導教団を乗っ取ったらしい。ただ、その影響で精神面がおかしくなってしまい暴走して現在に至るのだとか。
「とにかく、セレーネの計画はまず力をつけアルドロンを白滅させて、そのアルドロンを操り他のドラゴンと戦わせるというものでした」
「アルドロンを操るつもりだったんですか?」
「ええ・・・しかし知っての通り失敗しました。セレーネの言う通りにすべてのオーブを壊した・・・アルドロンは力を失うと聞いていた」
実際に
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