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夢幻水滸伝
第二百九十六話 アメリカのバイキングその二

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 そのうえで彼を港の大きな建物のところに連れて行った、するとそこにノームの怖そうな顔の初老の男がいてだった。
 彼もまたホーソーンのレベルとステータスを確認して言った、ただ彼は驚かず冷静な顔と声であった。
「只者じゃないな」
「星の方だそうです」
「そうか、そのレベルとステータスならな」
 男は今もホーソーンと一緒にいる船乗りの話を聞いて頷いた。
「他にはないな」
「ええ、それで何でもです」
「飯食う為に仕事欲しいんです」
 ホーソーンは男に言った、相手が年上と見て敬語にした。
「何かありますか」
「いや、星の方にそう言われますと」 
 男は眉を曇らせて言った。
「確かにわしはこの港を仕切ってますが」
「網元さんとして」
「はい、ですが星の方が普通の仕事ですか」
「船乗りでも人夫でも警備員でも」
「何でもですか」
「仕事なら」
「普通のお仕事ではとんでもないです」 
 これが網元の返事だった。
「星の方には」
「そうですか」
「あの、港の全てをです」
「このノーフォークのかいな」
「はい、仕切ってくれますか」 
 こう言うのだった。
「実はわしが今仕切っていても」
「それでもですか」
「あくまでまとめ役というところで」
「責任者はおらんのですか」
「本来なら街の方で決めるところを」
 それをというのだ。
「今丁度空席で」
「お役人が来ることもですか」
「責任者不在なので」
「それでわいがですか」
「どうでしょうか」
「それで飯が食えるなら」
 それならとだ、ホーソーンは市長の言葉に頷いた。
「やらせてもらいます」
「それならお話が早い」
「そうですね」
「宜しくお願いします」
「ほなそういうことで」
「では市長さんにもお話します」 
 網本は今度は微笑んで述べた。
「貴方のこの世界での仕事はじめにはかなり物足りないでしょうが」
「いや、わいは兎に角まずはです」
「糧が欲しいですか」
「人は飯を食えてこそ何か出来ます」
 まずはというのだ。
「お金がないと誰かの為にも動きません」
「その通りですが」
 船乗りはホーソーンの話を横で聞いて言った。
「随分生計にこだわりますね」
「いや、ほんま食べんとな」
「どうしようもないので」
「わいはまずはな」
「お仕事を求められますか」
「お金そして衣食住をな」
 そうしたものをとだ、ホーソーンは話した。
「そういったものをな」
「全て簡単に手に入るのでは」
 船乗りは考える顔で述べた。
「それこそです」
「それこそ?」
「一旗揚げられたら」
「いや、いきなりそれはな」
 一旗挙げて棟梁になるのはとだ、ホーソーンは船乗りに返した。
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