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ドリトル先生と山椒魚
第八幕その十一

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「人間は小さくて弱いものだからね」
「神様から見たらね」
「どんな凄いと思われる人でも小さいよ」
「まさに塵芥だよ」
「人から見たら」
「そんなものだよ」
 人間についてこう言うのでした。
「だから自分の力で生きられるか」
「無理だよね」
「そんなことは」
「自分ではそう思っていても」
「出来ていると思っていても」
「それは主観だけだね」
「あくまでね」
 それに過ぎないというのです。
「所詮ね」
「若しそれがわからないと」
「本当に駄目だね」
「人間は」
「ウェリントン公爵なんてね」  
 ワーテルローでナポレオンに勝利を収めイギリスを救ったこの人はです。
「この世で一番立派と言われてもね」
「馬鹿なことを言いなさんなでしたね」
 トミーが応えました。
「そうでしたね」
「うん、あれだけのことをした英雄でもね」
「そう言われていましたね」
「それで自分だけで生きられるなんて」
「ことを為せるとは」
「思っていなかったよ」
「そうですね」 
 トミーも頷きました。
「そう考えていたからそう言いましたね」
「馬鹿なことを言うなってね」
「自分をこの世で一番立派と言われても」
「自分の力だけで為したと思ったら」
 ワーテルローでの勝利もです。
「イギリスを救ってね」
「尊大になりますね」
「日本で言うと天狗になって」
 尊大をこう表現しました。
「自分の功績を誇ってね」
「どうにもならなくなっていましたね」
「そうなっていたよ」
 まさにというのです。
「ウェリントン公爵がそうした考えなら」
「そうですね」
「あのナポレオンを破った自分はね」
「そのナポレオンより凄い」
「そう考えてね」
 そうしてというのです。
「そうなっていたよ」
「そうですね」
「世の中何もしていないのに自分がこの世で一番偉いと思っている人もいるしね」
「ウェリントン公爵とは真逆に」
「こうした人も信仰がないんだよ」
「神様を意識していないですね」
 トミーは言いました。
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