第十五話 仮住その七
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「私もな」
「そのことは」
「地の龍が勝つならそれが運命だ」
祖父の今の言葉は達観したものだった。
「私もな」
「滅んでいいのですか」
「滅ぼすといい」
地の龍である孫に告げた。
「是非な」
「そうですか」
「そしてだ」
そのうえでと言うのだった。
「地球を救うのだ」
「お祖父様よりもですか」
「地球だ」
あくまでというのだ。
「いいな」
「そうしていいですか」
「是非な、そしてな」
??にさらに告げた。
「地球を、世界を救ってくれ」
「では若しです」
??は祖父の考え自分が滅んでもいいという返事を受けてこう返した。
「天の龍が勝ち」
「お前が倒されてか」
「人間の世界が続けば」
「その時もまただ」
祖父は??の今の言葉にも答えた。
「同じだ」
「そうですか」
「運命をな」
これをというのだ。
「受け入れる」
「そうされますか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「私はお前が亡くなってもな」
「その時も」
「お前の亡骸を引き取れたらそうして」
「どうするのですか」
「葬って弔う」
そうするというのだ。
「必ずな」
「そうですか」
「安心しろ」
「僕が死んでも」
「私はお前をそうするからな」
「有り難うございます」
自然にだ、??はこの言葉を出した。
「それでは」
「そうしていいか」
「是非」
また自然に言葉を出した。
「そうして下さい」
「それではな」
「僕にはお祖父様がいますね」
「家族がか」
「そのことがです」
まさにというのだ。
「今強くです」
「わかったか」
「そうなりました、では今日も」
「この屋敷でか」
「過ごさせてもらいます」
「遠慮はいい、ここはお前の家だからな」
それ故にというのだ。
「そうして過ごしてくれ、遠慮なくな」
「これからも」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「くつろいでくれ、そして私を祖父と思ってくれるなら」
「いいですか」
「そうしてくれるとな」
それならというのだ。
「嬉しいしな」
「それでは」
「これから共にいられる限りな」
「このお屋敷で家族として」
「共に暮らそう」
「わかりました」
??は自然に微笑んでだった。
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