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第十五話 仮住その四

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「これがな」
「違うわね」
「遊人さん以外の地の龍はわいも知らんが」
「人間として暗い」
「闇に満ちたな」
 そうしたとちうのだ。
「そうしたモンやとな」
「貴方は感じているのね」
「どうもな」
「そうなのね」
「そやから護刃ちゃんにも言うんや」
 彼女を見つつ嵐に話した。
「こいつは絶対に悪モンでな」
「気を付けることね」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「素でも近寄ったらあかんし」
「地の龍であるなら戦うわね」
「その時はな」
「必ず倒すべきね」
「そう思うわ」
 こう言うのだった。
「ほんまな」
「他に地の龍がいても」
「桜塚護をや」
「優先して倒すべきね」
「そや、どう見てもな」
「正真正銘のね」
「闇のモンでな」
 それでというのだ。
「悪人や」
「彼だけはね」
「まだどんな外見かもな」
「わかっていないわね」
「そやけどな」
 それでもというのだ。
「会った時は」
「最初にね」
「倒さんとあかん」
「地の龍の中でも」
「そや、しかし地の龍のことをな」
「私達はあまり知らないわね」
「今のとこな」
 空汰は秋刀魚を食べつつ話した、その秋刀魚にはしっかりとすだちを絞ってかけていて大根おろしも用意している。
「向こうもみたいやけどな」
「自分を知って」
「敵を知ることもね」
「大事やけどな」
 それがというのだ。
「どうもな」
「出来ていないわね」
「天の龍にしても」 
 自分達のこともというのだ。
「これまで神威入れて六人のことはな」
「わかっているわね」
「まだ神威がどっちに行くかはっきりしてへんが」 
 彼が天の龍になるか地の龍になるか、というのだ。
「しかしな」
「それでも六人ね」
「わかってる、しかしな」
「最後の一人ね」
「七人目のことがな」
「そのことですが」
 護刃が言って来た。
「姫様にお聞きしますか?」
「丁様に」
「はい、そうしませんか?」
 こう嵐に話した。
「これから」
「そうね」
 その提案を聞いてだ、嵐は目で頷いて応えた。
「あの方ならね」
「おわかりになられますね」
「では議事堂に行って」
「姫様にお聞きしましょう」
「そうするといいわね」
「そやな、それとな」
 空汰も護刃の言葉に頷いて言った。
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