第十五話 仮住その一
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第十五話 仮住
空汰と嵐それに譲刃は今はクランプ学園に通いつつそこにある建物の中に共に住んでいる、そこは洋館であったが。
学校から帰ってだ、護刃は既に帰ってきている嵐に話した。
「クランプ学園って寮もありますね」
「ええ、学生の人達の為のね」
嵐もそれはと答えた。
「あるわよ」
「そうですよね、でしたら」
護刃はその話を聞いてこう言った。
「私達もです」
「寮に入って」
「それで学校に行き来すればいいんじゃないでしょうか」
「それは無理よ」
嵐は首を傾げさせながら話した護刃に真顔で返した。
「私達の場合は」
「あっ、私達が天の龍で」
「そして何時戦うかわからないでしょ」
「そうですね」
「だから他の人達とはね」
「学校の中では兎も角として」
「学校を出たらね」
即ちプライベートの時間になればというのだ。
「秘密も知られたいけないし」
「私達が天の龍だっていう」
「それでよ」
その為にというのだ。
「私達はね」
「こうして寮ではなくて」
「寮から離れた」
そうしたというのだ。
「この洋館でね」
「一緒にですね」
「暮らして」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「学校に通うことですね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「私達はね」
「そうですか」
「そう、天の龍であるなら」
嵐はまたこう言った。
「そのことは隠すことよ」
「それも天の龍の務めですね」
「そうよ、そして戦いが終われば」
嵐はそれからのことも話した。
「私達は解散してね」
「それぞれのお家に戻りますね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「ここにいるのは一時のことだし」
「尚更ですね」
「ここでね」
この洋館でというのだ。
「一緒によ」
「暮らしていくことですね」
「今はね。いいわね」
「わかりました、じゃあこれからもですね」
「ここで食わしていきましょう」
「わかりました」
確かな声でだ、護刃は嵐の言葉に頷いてだった。
洋館の中の自室に犬鬼と共に入ってだった、まずは学校の予習と復習をしてだった。
修行の後で夕食を食べたがその夕食である肉じゃがと秋刀魚の開きを作った空汰にこんなことを言われた。
「何や、学校の予習復習もかいな」
「しています、毎日」
「護刃ちゃん真面目やな、わい勉強嫌いやからな」
「されてないですか」
「重要な箇所だけ覚えてな」
そうしてというのだ。
「後はテスト前にや」
「勉強されるだけですか」
「わいはな」
白いご飯を食べつつ話した。
「そやねん」
「そうなんですね」
「もう要領やな」
右手に箸を持ち明るく笑って言った。
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