第一章
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空き家の恐怖
今市内で問題になっていることがあった、この市は政庁がありその県で最も人が多く賑やかであるが。
何と市内にスズメバチが出ているのだ、それで被害に遭っている人も出ていた。
市長の野村吉太郎眼鏡をかけ野暮ったい感じの顔で髪の毛はそろそろ白くなってきているあんこ型の一七八センチの身体の彼はぼやいて言った。
「まさかこの街の住宅地のど真ん中でだよ」
「スズメバチが出るなんてですね」
「思いも寄らなかったですね」
「それは」
「私はこの街に生まれた頃から住んでるけれどね」
大学も地元であって家から通い就職も地元だった。
「山の近くとかなら兎も角」
「住宅地の真ん中で出るとは」
「ちょっとないですね」
「私達もはじめでです」
「こんなことは」
「だから驚いてるよ」
会議の場で市役所の重役達に話した。
「本当にね」
「全くです」
「スズメバチみたいな虫が何処から出たか」
「そこが問題ですね」
「本当に」
「スズメバチが出るということは巣があってだからね」
野村はこのことから話した。
「ということは」
「市内それも市街地にですね」
「スズメバチの巣がありますね」
「そうなりますね」
「それを探して」
スズメバチの巣をというのだ。
「そしてね」
「駆除しますか」
「ここは」
「そうしますか」
「そうしよう、駆除の専門家の人達に頼んで」
そうした業者にというのだ。
「すぐにね」
「駆除してもらいますね」
「仕事を依頼して」
「そのうえで」
「急がないと市民の人達の被害が増える」
野村はこのことを心から心配して言った、彼は癖が強いと言われる人物だが市長としての責任は備えているのだ。
「だからすぐにだよ」
「はい、業者さんにお願いしましょう」
「スズメバチの駆除を」
「その巣を見付けてもらって」
「そうしてもらいましょう」
市役所の重役達も責任感を持ってだった。
市長の言葉に頷いた、こうしてすぐにだった。
市役所は昆虫駆除の業者に依頼してスズメバチの駆除を行ってもらった、すぐに巣が見つけ出されてだった。
スズメバチは駆除された、こうしてこの問題は解決されたが。
現場の巣を見てだ、野村は眉を顰めさせた。巣は何と市街地にある空き家の中開かれた襖の部屋の真ん中に天井から吊るされていた。
その大きな巣を前にして野村は言った。
「いや、まさか」
「はい、空き家にですね」
「巣があるとはですね」
「思わなかったですね」
「これは」
「夢にもだよ」
まさにというのだ。
「思わなかったよ」
「全くですね」
「スズメバチがこんなところに巣を作るなんて」
「空き家の中に」
「そうしているなんて」
「
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