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第十四話 添星その一

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                第十四話  添星
 封真は部活を終えて家に帰る時にだった。
 草薙と擦れ違った、すると。
 その瞬間にお互いを振り返った、そのうえでそれぞれ言った。
「貴方は」
「あんたは」
 二人共驚いた様にお互いを見た、そして向かい合って話をはじめた。
「何か違うな」
「そうですね、その服装は自衛隊の方でしょうか」
「ああ、志勇草薙っていうんだ」
 草薙は微笑んで名乗った。
「陸上自衛隊に所属している」
「やはりそうですか」
「仕事が終わってな」
 そしてというのだ。
「今家に帰る途中だ」
「そうですか」
「独身だから本当は隊舎住まいだけれどな」
 草薙は手振りを入れて話した。
「部屋を借りてな」
「そちらにですか」
「住んでるんだよ」
「そうですか」
「気楽なものさ」
 草薙は明るく笑ってこうも話した。
「一人暮らしで食事もな」
「自衛隊の方で、ですか」
「三食ちゃんと出るからな」
 だからだというのだ。
「量も栄養管理もしっかりしていてな」
「心配なくですか」
「食えるからな」
「そうですか」
「部屋に帰ったらな」
 そうすればというのだ。
「後はくつろぐだけだよ」
「お部屋で、ですね」
「そうさ、しかしあんたは」
「何でしょうか」
「いや、俺に似てるな」
 こう言うのだった。
「顔じゃなくて持っているものがな」
「それがですか」
「そう思った、若しかしてな」
「?まさか」
「ああ、俺はな」
 まさにと言うのだった。
「地の龍の一人なんだよ」
「そうですか」
「地球を護るな」
「そして人間を滅ぼす」
「ああ、そうさ」
 人間を滅ぼすという言葉にはだ。
 草薙は目を左にやってやや俯き苦い顔になってだった、そのうえで封真に対して苦い声で話したのだった。
「俺もな」
「そうですか」
「そしてあんたは」
「まだ誰にも話していませんが」
「それでもか」
「実はです」
「天の龍か、それとも」
 封真を見て話した。
「俺と同じか」
「まだ決まっていません」
「そうなのか、あんたは」
「はい、ご存知ですね」
「添え星か」
「そちらです」
「もう知ってるんだな」
「父に教えられました」 
 封真はこのことも話した。
「そう」
「そうか、なら俺とも今後はか」
「敵になるかも知れませんし」
「味方にもか」
「なるかも知れません」
「そうなんだな、正直悪い印象は受けないな」
 封真から感じたことをそのまま述べた。
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