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ビニール袋にご飯を入れて
第二章

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 ドンスクはこれまで咥えていたビニール袋を下に下ろした、すると。
「ニャア」
「ニャ〜〜」
「ナァ〜〜」
「ウニャ〜〜」
「ニャウ〜〜」
「ミャウ〜〜」
「あれは」
 キムはその光景を見て思わず声をあげた、見れば。
 ドンスクそっくりの子猫達が五匹出て来てだ、彼女がビニール袋に入れていたご飯を食べだした。ドンスクも一緒に食べている。
 その光景を見てだ、キムは同僚に言った。
「子供達にご飯をあげていたんだね」
「そうだな、そのご飯を持って行く為のビニール袋だったんだな」
「そうですね」
「いや、ドンスクは頭がいいが」
「考えたものですね」
「全くだ、しかしな」 
 同僚はここで言った。
「子猫達がいるならな」
「はい、あの子達も地域猫にするか」
「若しくはな」
「里親を探しますか」
「うちはそうした活動もしているしな」
「ドンスクもそろそろってお話してましたし」
「それじゃあな」 
 それならとだ、同僚はキムに話した。
「親子皆な」
「うちで保護して」
「里親を探そう」
「そうしましょう」
 こう話してだった。
 キムが所属している団体はドンスクと彼女の子供達を保護した、すぐに獣医に診せると六匹共異常はなかった。
 子猫達は四匹は雄で一匹は雌でそれぞれカン、フン、チン、ムン、ファと名付けられてだった。
 それぞれ里親を募集したが六匹皆をだった。
 ある心優しい一家が引き取った、六匹は揃ってその家に入ったがそれからもだった。
 里親となった男性が団体の事務所に来てキムに話した。
「すぐにビニール袋を咥えてきて」
「そこにご飯をですか」
「入れる様におねだりして」
 そしてというのだ。
「子供達にご飯をあげています」
「外にいた時からのことなんですよね」
「ああして子供達にご飯をあげていたんですね」
「そうでした」
「そうですか、子猫達にいつもご飯をあげる」
「いいお母さんですね」
「全くです、それ以外もいつも子猫達を優しく育てていて」
 飼い主の男性はさらに話した。
「いいお母さんですよ」
「そうですか、じゃあその優しさに応えてくれますか」
「是非。六匹共幸せにしますよ」
「宜しくお願いします」 
 キムは飼い主の男性に笑顔で応えた、そしてだった。
 定期的にキムの実家に行ってドンスク達に会うと六匹共実に毛並みがよくふっくらとしていて楽しく遊んでいた、キムはその彼等に会う度にいつも笑顔になった。幸せそうにして優しい母猫とその優しさをあの時を同じく受けている子猫達を見て。


ビニール袋にご飯を入れて   完


                  2023・4・24
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