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神々の塔
第十四話 白波五人男その三

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「刀は積極的にや」
「使わんのか」
「傘や」
 これをというのだ。
「主に使うんや」
「それで敵を打つか」
「そして攻撃を防ぐ」 
 傘でというのだ。
「そうするんや」
「ああ、刀はな」 
 ここまで話してだ、羅は気付いた顔になって言った。
「切れるが」
「そうそう大勢切れんな」
「普通のもんはな」
「そやから戦の場ではな」
「よおさん持っていってるわ」
「切る武器はな」
「そもそも戦場で戦っても」
 その場合もというのだ。
「何人も切るとかな」
「実際はそうはないな」
「ああ、敵を切るには」
 それにはというのだ。
「それだけよおさんの敵が必要や」
「その条件もあるしな」
「それがあるかないか」
 それがというのだ。
「そうなるとな」
「切るもんでもな」
「ええ、賊やモンスターの戦闘でもな」
「何体も切らんしな」
「一人でな、それに大抵は切る武器も重くて」
 それがありというのだ。
「切れ味が鈍ってもな」
「打つことにも使える」
「それだけでダメージになるが」
「日本刀は鉄でも武器として比較的軽い」 
 だからだというのだ。
「打つと下手したら折れる」
「そうなるな」
「そやからな」
「刀を使うにはやな」
「大勢相手やと一本や二本やとな」
 どうしてもというのだ。
「不利や」
「それでやな」
 トウェインも言った。
「白波五人男さん達はか」
「傘で戦うんや」
 これを持ちいてというのだ。
「叩いてそしてな」
「攻撃もか」
「撥ね返すんや」
「そういうことやな」
「傘の方がええんや」
 芥川は言い切った。
「その実な」
「それで歌舞伎でもか」
「実はな」
 これはというのだ。
「勢揃いの場では傘で戦ってる」
「歌舞伎のやな」
「この作品で一番有名な場面やが」
 そして最大の見せ場でもある、五人全員揃って名乗りを挙げかつ立ち回る場で単独で上演されることも多い。
「そこでもな」
「しっかりとやな」
「傘を使ってるしな」
「刀は持っていてもか」
「刀はあくまでな」
「最後の最後やな」
「主に傘で殴って」
 そうしてであるのだ。
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