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仮面ライダーAP
凶兆編 仮面ライダータキオン&エージェントガール 中編
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 数台のバイクに跨り、凄まじい速度で猛追して来るノバシェードの戦闘員達。ミラーでその様子を目の当たりにしたヘレンは、追手の男達が見せる下品な笑顔に眉を顰めていた。

「ヒューッ! なんだなんだァ、すんげぇデカ乳な上にかなりの美人じゃねぇか! 俺達のことを嗅ぎ回ってた特務捜査官が居ると聞いて来たが……こりゃあ、思わぬ収穫(・・)だッ!」
「へへっ、こりゃあ聞きしに勝る超弩級の上玉だぜぇ! 俺達と一晩(・・)付き合ってくれたら、命だけは助けてやれるかもなァ!?」
「改造人間の俺達とたぁ〜っぷり遊んで(・・・)……ブッ壊れずに済んだらの話だけどよォッ!」

 M4カービンのものとは明らかに違う銃声。死屍累々と横たわる仲間達の死体。そこから即座に状況を理解した他の戦闘員達が、ヘレンとベイカーを乗せた高級車を発見していたのである。ノバシェードの戦闘員達を乗せた数台のバイクは、あっという間にヘレン達の車両に追いついてしまうのだった。

「……ッ!」

 顔付き通りの下品な罵声を浴びせて来る戦闘員達の言葉に、冷酷な怒りと殺意を露わにするヘレン。
 彼女はギリッと歯を食いしばると、片手でハンドルを操作しながらワルサーPPKをスーツの懐から引き抜いて行く。その弾みでシャツのボタンが弾け飛び、そこの隙間から白い谷間が覗いていた。

「しつっ……こいわねッ! ノバシェードの下衆共がッ!」

 目の前から迫る瓦礫を、左右に動いてかわしながら。彼女は後方から迫る戦闘員達の眉間に、次々とACP弾を撃ち込んで行く。この状況であっても彼女の銃弾は寸分の狂いもなく、戦闘員達の頭部に命中していた。

「ぐぉああッ!?」
「このアマッ……がはッ!?」

 それでも辛うじて「急所」からは外れていたようだが――被弾によって体勢を崩し、バイクから投げ出された彼らはそのまま瓦礫に激突し、次々と命を落として行く。その様子を見届けながら、ヘレンは鋭く目を細めて引き金を引き続けていた。

(やはり兄さんの情報通りだわ……! 「完成品」の改造人間のみで構成されていた旧シェードとは違って、ノバシェードの構成員は軒並み「失敗作」ばかり! 運動能力こそ超人染みてるけど、急所さえ狙えれば通常兵器でも奴らには通用する!)

 人間を遥かに超える力を持った改造人間とはいえ、その界隈においては失敗作とされる程度のスペックしかない。それに加え、戦闘のプロばかりだった旧シェードとは違い、戦闘員のほとんどは民兵上がり。
 能力においても戦闘技術においても、ノバシェードの戦闘員達は旧シェードのそれには遠く及ばない「紛い物」に過ぎないのだ。急所を正確に狙える技量さえあれば、通常兵器でも十分に渡り合える。

 その事実を己の眼で確かめながら、彼女は空になった弾倉を車窓から脱落さ
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