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仮面ライダーAP
特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第22話
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 数多の激闘によって破壊し尽くされたニューススタジオ。そこからさらに上の階にある、ガラス壁に面した廊下では――仮面ライダーオルバスとレッドホースマンによる、苛烈な剣戟が繰り広げられていた。

「……ぬぁあぁあぁあッ!」
「はぁあぁあぁあッ!」

 激しい金属音と共に、双方の雄叫びが響き渡る。どちらの装甲も傷だらけになっているが、オルバスのダメージの方が特に深いものとなっていた。
 全身から火花が散っているだけでなく、装甲ごと斬られた肉体が鮮血を噴き出しており、彼の足元では絶えず血溜まりが広がっている。レッドホースマンの方も決して無傷ではないが、オルバスの惨状は立っていること自体が奇跡と言えるほどであった。

 一見すれば互角にも見える剣戟だが、双方が負っている傷の差を見ればオルバスの劣勢は一目瞭然。レッドホースマンの紅い両手剣(バスタードソード)は、オルバスの血を吸いますます深紅に染まっている。
 このまま戦いが続けば、先に倒れるのはオルバスの方だろう。廊下に広がる血溜まりを見れば、誰もがそう確信する。

 ――だが、摩訶不思議なことに。オルバスは戦いが長引けば長引くほど、傷が増えているのにも拘らず、動きが冴えて(・・・)行っているのだ。
 対するレッドホースマンは、ダメージ量においては優位に立っているはずなのに、徐々に動きが鈍り始めている。彼自身がその奇妙な反比例を自覚した瞬間、エンジンブレードの刃が袈裟斬りの要領で、紅い怪人のボディに減り込んでしまった。

(これまで散々斬られて来たが……やっと見えて来たぜ、貴様の太刀筋ッ!)
(ダメージは確実に蓄積されているはずなのに、動きが鈍るどころかどんどん冴えて来やがる……! ジャスティアドライバーの力がそうさせているのか、あるいは……!)

 戦いの中で、オルバスが劇的な成長を遂げているのは疑いようのない事実であった。であれば一体、その原因はどこにあるのか。
 思考を巡らせるレッドホースマンは一瞬、その「力」の源泉はやはり、装甲服の「核」である変身ベルト――ジャスティアドライバーではないかと考えた。

 しかしこの直後、彼はその説が誤りであることを己の痛みで実感することになる。

「……ッ!」
「ここだぁあぁあぁッ!」

 起死回生を図り、振るわれた渾身の一閃。間一髪でそれをかわし、すれ違うようにレッドホースマンの脇下へと、オルバスの身体が滑り込んで行く。

 その勢いが生み出した「力」の流れに、己の身体と刀身の軌道を委ねたオルバスは――弧を描くように、エンジンブレードを振り抜くのだった。

 刹那。横薙ぎに振るわれた大剣の刃が、レッドホースマンの背面に沈み込み――装甲もろとも、彼の背骨を叩き斬って行く。
 その一閃が生んだ衝撃は、斬られたレッ
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