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仮面ライダーAP
特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第4話
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「……総員、攻撃開始。お望み通り、1人残らず仲間達の元へ送ってやれ」

 人の心を捨て、羅刹に落ちた人間兵器――改造人間の傭兵(サイボーグ・マーセナリー)
 その群れが動き出したのは、彼らの背後に立つエインヘリアルが「突撃」を命じた瞬間であった。

 首魁の徳川清山、実戦リーダーの羽柴柳司郎に次ぐ、組織の「No.3」である彼の指示に応じて動き出した怪人達は、各々の「異能」を駆使した殺戮を開始する。

 それは、国防軍の所業に対する「意趣返し」でもあった。
 無辜の村民を虐殺した彼らに対する、然るべき「報い」を実現させる。ただそのためだけに、彼らはその異能を振るうのだ。

「は、速いッ! この女、速過ぎるッ! 弾が……弾が当たらないッ!」
「……遅いねぇ。呆れるほど遅い。あんた達、当てる気あるわけ?」

 チーターを模した生体装甲で全身を固めた、獰猛な女傑――タパルドこと、速猟豹風(はやかりひょうか)
 突撃銃の弾雨を掻い潜り、目にも留まらぬ速さで歩兵達の懐に飛び込んだ彼女は、手足の鉤爪で彼らの肉体を矢継ぎ早に切り裂いて行く。

「ぐぎゃあぁあッ!?」
「殺し合わなきゃ生きて行けないような世界に居る奴らが……『外』の連中を巻き込むんじゃあないよッ!」

 ミサイルイナゴ――橋部一雄と同じく、戦後に生まれた混血児である彼女は、その日本人離れな美貌故に謂れなき差別に晒され、居場所のない人生を過ごしてきた。

 そんな彼女が独りで生きて行ける場所は、人種など問われない力だけの世界にしか無かったのである。
 そうして傭兵となり、改造人間となった彼女だからこそ――謂れなき者達を戦火に巻き込んだ国防軍が許せなかったのだ。

 だが、いかに改造人間と言えども少人数で大勢の歩兵に挑むからには、多少の被弾は避けられない。すれ違いざまに兵士達の首を刎ね飛ばしたタパルドは、着地に伴う減速の瞬間を狙われ、一斉射撃を浴びてしまう。
 それでも、彼女の生体装甲には傷一つ付かない。その頑強さに痺れを切らした1人の兵士は、勢いよく銃床で彼女の背を殴打する。

「ぐおッ……!? こ、この女の鎧は……ぐはぁッ!」
「……汚い手で私に触らないで。『痛い目』に遭うだけだから」

 しかし、その一撃は通ることなく――逆に衝撃を跳ね返され、大きくよろけた隙に斬り付けられてしまうのだった。
 タパルドの鎧は反応装甲(リアクティブアーマー)に類する機構も兼ね備えている。生半可な打撃は、逆効果となるのだ。

「得意とする接近戦に持ち込んでおいて……背後を取られるとは何事だ、速猟。油断するなよ、速さに特化したお前の装甲は俺達の中では『最弱』なのだからな」
「……ふん、言われなくたって分かってるわ。あんたこそ、さっきから何発も食らっ
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