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第十三話 母親その十六

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 それぞれの器に入れて食べはじめた、神威は雑炊を食べて言った。
「美味いな」
「軍鶏や野菜、茸の味がよく出ていてな」
「豆腐の風味もするな」
「だからな」
 封真も食べつつ応えた。
「この通りだ」
「美味いな」
「軍鶏鍋って雑炊も美味しいから」
 小鳥も言ってきた。
「だからね」
「こうしてか」
「私も軍鶏のお肉が手に入ったらね」
「鍋にしてか」
「食べてるの」 
 神威に話した。
「そしてね」
「そして?」
「カレーにもいいのよ」 
 軍鶏の肉はというのだ。
「お肉に弾力があるからね」
「だからか」
「普通の鶏肉もいいけれど」
「軍鶏もか」
「またいいのよ」
「龍馬さんもこうして食べていたんだな」
 封真も彼の名前を出した。
「そうだな」
「そうよね、やっぱり」
「暗殺された時は残念だったがな」
「その時まではね」
「機会があればな」
「食べていたわね」
「そういえばだ」
 ここでだ、封真は小鳥に応えて話した。
「あの人実は板垣退助さんとは会っていないな」
「あの人の銅像があったな」
 神威は板垣退助と聞いて言った。
「議事堂に」
「そうだ、あそこにはあの人の像もあるな」
「他の人の像もでな」
「そうだったな」
「あの人は龍馬さんと同じ土佐藩だったな」
「それでもだ」
 同じ藩に生まれ育ってもというのだ。
「龍馬さんは武士でも元々商人でだ」
「大金持ちだったな」
「だが身分は低かった」
 郷士という武士としてはそうした立場だったのだ。
「対する板垣さんは上士でだ」
「身分が高かったか」
「その為暮らしている場所も違っていた」
 同じ高知城下でもだ。
「それで会ったことはな」
「なかったか」
「お互いのことは知っていたが」
 このことは間違いなかった。
「板垣さんは龍馬さんの脱藩の罪を取り消す様に動いていたしな」
「そうしたことをしていたのか」
「龍馬さんも同志の志士の人達に板垣さんを紹介している」
「会ったことはなくてもか」
「お互い凄い人物がいると聞いていてな」 
 そうしてであったのだ、よく創作で二人は幼い頃に出会っていて板垣が龍馬を身分をかさにいじめていたというものがあるがそうしたことはなかったのだ。
「認め合っていたらしい」
「そうだったのか」
「同じ土佐藩の人でもな」
「東京を護る様に像があったりしてもか」
「直接関係はなかった」
「会ったことすらなかった程か」
「だがお互い嫌ってはいなかったことはな」
 むしろ認め合っていたことはというのだ。
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