第二章
[8]前話
「この子です」
「ああ、犬となんだ」
「マホ、男の子です」
モンテは犬のことも話した。
「凄くいい子でして」
「それでだね」
「カイとも仲良しで」
「じゃあ今からだね」
「この子と一緒に入りましょう」
カイのいるコーナーにとだ、こう話してだった。
二人はマホと共にカイのコーナーに入った、するとマホの方からカイの方に尻尾を振って駆け寄っていった。
「ワンワン」
「ガウ」
カイもその声を聞いてだった。
声の方に顔を向けた、すると。
二匹は早速じゃれ合った、アルベルはその彼等を見て話した。
「仲がいいですね」
「この通りです」
「それに私達が中に入っても」
「慣れていますね」
「はい」
笑顔での返事だった。
「ですから」
「それでは」
アルベルはモンテの言葉に頷いてだった。
実際にカイのコーナーに入るとだった。
彼は非常に大人しく優しかった、それでマホだけでなく二人とも楽しく遊んだ。その彼に触れてだった。
アルベルはモンテに対して笑顔で話した。
「全て貴女とマホのお陰ですね」
「カイが今幸せなのは」
「はい、目が見えなくても」
それでもというのだ。
「彼が生きられて幸せなのは」
「そう言ってくれますか」
「この子にとって貴女とマホは幸せです」
まさにそれそのものだというのだ。
「これ以上はないまでに」
「そうですか、そこまで言って頂けるなら」
それならとだ、モンテも笑顔で応えた。
「7私もマホもこれからも」
「カイを幸せにしてくれますね」
「必ず。これが私達の務めですし」
「この施設で働いて」
「そして生きもの達に接していますので」
だからだというのだ。
「そうですから」
「それで、ですね」
「これからもカイを幸せにしていきます」
「それでは」
「頑張っていきます」
カイそしてマホをそれぞれの手で優しく撫でてだった。
モンテはアルベルに約束した、そのうえでアルベルは施設の他の場所も巡ってそのうえで自分の家に帰った。それから。
施設に度々行ったがカイはいつも幸せだった、嬉しそうにモンテそしてマホと一緒にいる彼を見る度に彼も笑顔になった。
盲目のピューマを救った女性と犬 完
２０２３・４・１７
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