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神々の塔
第十三話 塔の中の時その五

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「我々から見ても」
「道教って神様多いさかいな」
「そうですから」
「もうかなりな」
「仏教の御仏の様に、ただ」
 ここでだ、ゴブリンの戦士はこうも言った。鎧兜の仕立ては中国のものでありマントもそうである。
「日本の神霊の方の数は」
「圧倒的やな」
「あまりにも多いです」
「仏教の仏さんも含めてな」
「実に」
「うちもこんなに多いと思わんかったわ」
 日本人の綾乃も言ってきた。
「日本の神霊さん達が多くて」
「それはです」 
 ゴブリンの戦士は綾乃にも話した。
「日本が中国以上に人がです」
「神様になる国やからやね」
「左様ですね」
「もうお祀りしたら」
 それでとだ、綾乃も答えた。
「それだけでなるで」
「神にですね」
「織田信長さんもやし」
 尚彼の家は元々宮司であった、越前でのそれであったのだ。
「豊臣秀吉さんも」
「その方々は立派な神霊です」
「こっちの世界でもやね」
「世界を守護されている」
「それで他の人達も」
「そしてです」
 ゴブリンの戦士はさらに話した。
「神が次から次に生まれますね」
「古事記とか読んでたら」
 それこそというのだ。
「ほんまにやね」
「次から次に出てきますね」
「神様が」
「それは中国より遥かに上なので」
 それ故にというのだ。
「この世界でもです」
「日本の神霊さん達はやね」
「恐ろしい数になっています」
「そやねんね」
「そしてこの塔でもです」
 こちらでもというのだ。
「多くの方がです」
「出て来るんやね」
「左様です」
「これまでは会ってへんけど」
「すぐに出て来られますよ」
 綾乃に笑って話した。
「その時はお楽しみを」
「そやったら」
「ご健闘を期待しています」
 こう告げてだった。
 道教の天界から来た者達は綾乃達の前を去った、その際多くの金を残していったことは言うまでもない。
 彼等との戦闘と会話を終えた後でだった。
 一行は進むことを再開したがその中で。
 シェリルは中里にだ、考える顔で尋ねた。
「最初は誰が出るか」
「日本の神霊さん達でやな」
「それが気になるな」
「ああ、正直誰が出てもな」
 中里も考える顔になって述べた。
「不思議やない」
「そやな」
「兎角日本の神霊さんはな」
「この世界でも多いな」
「ダントツでな」
 それこそというのだ。
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